これは すごいね。すごいですか?
一方 比較選手は→
主に手のひらの小さな面積でしか押せていない。
瀬戸は この卓越した技術で
体格差をカバーしていたのだ。
そうなんだ。 へえ~。
そうですね…
更に瀬戸は
推進力を極限まで高めるため→
思い切った選択をしていた。
動きが激しいバタフライでは→
通常 1回 腕を回すごとに顔を上げ
酸素を取り込む。
しかし瀬戸は
2回に1回しか顔を上げない。
通称…
うわ~ 大変。
息継ぎをして そこに
費やしていた力を→
前に進むために
使おうというのだ。
手のひらに特殊なセンサーを装着。
呼吸の回数を半分に減らすことで→
推進力が どのくらい増しているのか
測定した。
うわ~ すごい。
その結果 呼吸をしない時の方が→
前に進む力が 20%
大きくなっていることが→
明らかになった。
松田さん バタフライを専門でやってましたけども…
僕も何回か
トライしたんですけど→
やっぱ自分には無理だと思って…
やりたくても やれなかった。やっぱ 瀬戸選手は 1/2呼吸をね→
割と最初から最後まで
そのペースでいくんで…
何なんですか?
何で耐えられるんですか?
自分が泳いでる模型があるとして…
ノーブレする時はそんなに頑張んなくてもフラットなので→
推進力があるので
そのまま進んでいけるんで→
当てるようなキックっていうのを
していて。
進むキックっていうよりは
もうポンッて 軽く→
ちょっと温存するような
キックもしてたりして→
その中で 自分の体の酸素の消費
っていうのを少し抑えつつ→
1/2をやりながら。
実は 大橋選手はですねこのフラットスイムを習得するために→
小さい頃から ある練習を
ひたすら繰り返してきました。
水泳の基本中の基本
蹴伸びです。
体を動かさずに
まっすぐな姿勢を保つという→
これ地味~な練習なんです。
小学校の授業で まず最初の方で習うやつですよね これね。
基本中の基本を
何百回 何千回とやってっていう。
地味~なやつを。 ず~っとやって。
これが役に立ったんですね。水の中で 本当に こう…
それは すごく
上手になったと思いますし→
そこに生かされてるのかなと思います。
入水の時に あんなふうに水が立たないんですね。
いや あれ びっくりしましたね。
僕 背泳ぎ下手くそなんで…
手の入れ方がね。
角度 ちょっと変えるのね。
バタフライでも 親指から そ~っと
入水できる選手とかいるんですけど→
僕も それも あんまりできなくて 結構…
おい 失礼だぞ。よく とれたな。
さあ 今や日本のエースとなった
2人ですが→
これまで何度も挫折を味わい
その経験を強さに変えてきました。
瀬戸が小学3年生の時に出場した
全国大会の決勝。
衝撃的な体験をする。
反対から泳いでくるのは 1位の選手。
速いんだ。
20m以上の差をつけられ 完敗した。
ぶっちぎりじゃん。
その相手こそ…→
同学年の萩野公介。
かわいい。
瀬戸は生涯のライバルとして
その背中を追い続けることになる。
萩野は高校3年生で
オリンピックに初出場し→
銅メダルを獲得する。
一方 この時…
同じ舞台にすら立てなかった。
どうしたら萩野に勝てるのか試行錯誤の末に編み出したのが→
あの1/2呼吸だった。