その女性は いつもふらりと撮影現場に現れる。
すごいですね。
(松坂)お疲れさまです。
この女性 実は→
松坂桃李や菅田将暉といった売れっ子を世に送り出してきた→
希代のやり手。
(笑い声)
「今 最も勢いがある」と言われる
芸能プロダクションの社長…
所属アーティストは
口々に言う。
「うちの社長は
普通じゃない」。
だが 寄せる信頼は 絶大。
カメラが入ることのない…
♪♪~
取材を始めたのは春の終わりのことだった。
この日 渡辺は
ある若手俳優の撮影現場を訪れていた。
(渡辺)お疲れさまです。
渡辺は 神出鬼没。
時間さえあれば
所属アーティストの様子を見に行く。
何の予告もなく。
突然 現れる。
ハハハハハ!
これはもう…→
ありえないよね。
何を尋ねるでもなく交わすのは たわいもない会話。
≪じゃあ お願いします。
(渡辺)頑張って。
「行ってらっしゃい」。
そう 声をかけたのが印象的だった。
驚いたことに
渡辺が社長室にいることは まずない。
聞けば 現場にこれほど顔を出す社長も
珍しいという。
何より驚かされたのは
社長らしからぬ姿勢。
いや~ いや~…。
非常に思ってます。
この日 訪ねたのは→
母となり 4年ぶりにドラマ復帰した女優の撮影現場。
(杏)おはようございます。
(渡辺)どうも。 お世話になってます。
隣にそっと座り 母としての気苦労など
話に耳を傾け始めた。
ああ~。
≪杏さん お願いします。はい 行きます。
ありがとうございます。
華やかな世界に身を置く渡辺だが人には言えない 悩みがあるという。
(渡辺)…っていうんですかね。
東京・渋谷。
24年前に渡辺が設立した
芸能プロダクションは ここにある。
この日は 月に一度の全体会議。
マネージャーなどの社員が 一堂に会した。
所属アーティストは 約25人。
6,000人を抱える芸能プロダクションもある中で 極めて小規模。
だが 売れっ子を多数抱え→
「今 最も勢いのある芸能プロダクション」と言われる。
その秘密は 渡辺の 少数精鋭主義。
どれだけ売り上げが上がろうとも規模は拡大せず→
渡辺の目の届く範囲を超える
アーティストは 決して抱えない。
チーフクラスのマネージャーともなれば→
数十人のタレントを抱えるところもあるがここでは どんなに多くても 5人。
これにより 数年先を見据えた育成など
手厚いマネジメントが可能となり→
才能が次々 花を咲かせている。
渡辺が 大切にしてきた 流儀がある。
渡辺が大切にするのは
一人一人と過ごす時間。
この日は 所属する若手俳優を
夕食に誘った。
話題に上ったのは
菅田の 芸能界における交友関係。
(渡辺)へえ~。
渡辺は 菅田の飾らない思いに耳を傾け続ける。
菅田は 4時間にわたって語り続けた。
この近い距離感だからこそ→
アーティストの本当にやりたいことが
見極められると 渡辺は言う。
♪♪「真っ青な空に見守られるように」
例えば 菅田の音楽活動も→
渡辺が その意欲を感じ取り
推し進めたもの。
理想とする 会社の姿がある。
♪♪~(ギター)
だから記念日には
みんなで集まり→
みんなで祝う。
♪♪~
人が商品になる。
そんな世界に生きているからこそ家族のように。
その信念を 24年間 貫いてきた。
♪♪~
(拍手)
でも 俳優さんになる卵とか→
活躍する人を見る目は