いや 森田さん…。
しかし チコちゃんは
知っています。
見たことねえよな。
スーツの襟に穴があいているのは…→
花を挿すため~!
え?(島崎)え~!? なんかロマンチック~!
(森山)なんだよ すごいな。
チコちゃん ステキじゃな~い。
そうでしょ~? お花をあげたいわ~。
なんだよ。
(島崎)すごいおしゃれだね~。
ごきげんよう。
詳しく教えて下さるのは→
服飾のデザインや歴史について研究をしている…
え? 花を挿している人なんて
いないんじゃないですか?
先生は スーツの歴史をたどれば
その答えが分かるとおっしゃいます。
もともとは軍服。
先生によると スーツの起源は→
1700年代のヨーロッパで着られていた
軍服。
スーツとは
似ても似つかないのですが。
すると先生 いきなり
自分のスーツの襟を立て始めました。
(中野)第1ボタンが
ちょうどスーツの襟穴にきますね。
確かに スーツの襟を立ててみると→
スーツと軍服は同じ形をしています。
ボタンに注目してみると→
スーツのボタンの位置と軍服のボタンの配置は ぴったり。
問題のスーツの襟の穴は
軍服の第1ボタンのところにあたります。
つまり もともとは ちゃんと必要な
ボタンの穴だったわけです。
しかし 1700年代後半に
軍服をもとにした新しい服が生まれ…
軍服のテクニックを応用して→
「フロックコート」と呼ばれるものが作られまして→
貴族は宮廷で
フロックコートというものを着ます。
当時のものを再現したフロックコートを
着せて頂くと…。
なんか あの…
(中野)このように…
そう フロックコートは
軍服の詰め襟部分を寝かせ→
現在のスーツの「上襟」と「返り襟」の
原型が出来上がりました。
その結果 第1ボタンは
必要がなくなっていくのですが→
ボタンの穴は残っています。
そして 次なる変化は…。
(中野)19世紀に このフロックコートが
更に進化したパターン→
「モーニングコート」「燕尾服」
というものができるんですよ。
「モーニングコート」とは昼間に着る正装で
格式の高い式典で着用されるものです。
かっこいい! 宝塚みたいね。
一方 「燕尾服」とは夜用の正装。社交界用の服のことです。
2つとも特徴は 後ろが長いこと。
お尻を隠すのが→
当時の貴族文化の
マナーとされていました。
フロックコートから進化した
この段階で…
更に お尻部分が邪魔だったので
カットし→
現在のスーツに近い
「ラウンジスーツ」に変化。
こちらも 当時を再現したものを
着せて頂くと…。
このように 軍服は→
フロックコート モーニングと燕尾服ラウンジスーツに変化し→
襟が完全に寝てしまい→
第1ボタンが全く必要のないものになりました。
しかし イギリスの
スーツの仕立て屋さんたちが→
もともとは軍服であったことを
忘れないようにと→
襟に穴を残したそうです。
そして この穴が花を挿すためのものになったと→
先生はおっしゃいます。
結果として…
こちらは 1700年代後半
フロックコート時代の様子を描いた絵画。
花が挿さっています。
(中野)1700年代っていうのは→
貴族が 新種の花 新しい植物を
知っているということで→
ちょっと自慢っていうニュアンスで→
こちらに花を挿したというようなトレンドもありました。
更に 1800年以降
ビクトリア女王が結婚式で→
アルバート公の襟の穴に
花を挿したことで→
庶民にも広がり…。