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2020/01/19(日) 00:35〜01:35 NHKスペシャル「アイアンロード〜知られざる古代文明の道〜」[字][再]


馬の入れ墨が刻まれていた。
スキタイが繁栄した時代→
人類が使っていた金属の中心は「青銅」でした。
古くからの大国だった

ギリシャも→
武器をはじめ さまざまな青銅器に
あふれていました。
しかし 多くの物が青銅で作られ
人々が満足していたがゆえに→
かえって 鉄器の普及が遅れたとも


考えられています。
一方 新興国だったスキタイは→
新たな素材である「鉄」をあらゆる物に利用していきます。
その結果 鉄の武器をそろえて→
大国のギリシャやペルシャを撃退することができたのです。
しかし そもそも 人類は 長い間
鉄を作り出すことができませんでした。
人類が最初に出会った鉄は
空から降ってきた鉄の石…
この数少ない 貴重な隕鉄は→
権力者たちが 権威を示す宝飾品として利用していました。
しかし その後
自ら鉄を作り出す人々が現れます。
最新の調査によって
人が作ったと考えられる→
世界最古の鉄が発見されました。
それはスキタイの時代より はるかに古い→
紀元前24世紀から23世紀のもの。
見つかったのはスキタイがいた地域より西→
現在のトルコです。
トルコ・中央アナトリア地方。
最古の人工鉄が見つかった この地は→
アイアンロードの出発点だと考えられている。
荒涼とした高原地帯にある小さな村。
名は デミリ。 トルコ語で鉄の村という。
およそ800人の村人のうち
なんと 半数以上が 鉄にちなんだ名字だ。
デミリ村から程近い…
35年にわたり 発掘調査が続いている。
調査隊を率いるのは

日本人考古学者の大村幸弘さん。
大村さんらが掘り進めている
最も深いところは→
紀元前24世紀まで遡る。
この地層から世界最古と考えられる人工鉄が見つかった。
直径3cmほどの小さな鉄の塊。
分析の結果隕鉄とは 成分が明らかに異なり→
人工的に作り出された可能性が高いことが
分かった。
この地で 鉄の量産に成功し
人類史を変えた人々がいたという。
どんぐり眼に大きな鼻。
そして 分厚い唇。
これまでの研究で 謎に包まれていた
彼らの姿が明らかになってきた。
ヒッタイトの人々が アナトリアの荒野に
国を築いたのは→
紀元前17世紀のこと。
このころ ナイル川の流域では→
古代エジプトが肥沃な大地の恵みを受け
繁栄を遂げていた。
一方 荒涼とした大地に国を築いた
ヒッタイトは→
鉄を巧みに利用し→
エジプトに匹敵するほどの一大国家を作り上げたという。
遺跡から出土した ヒッタイトの鉄器。
X線画像で見てみると…。
ヒッタイトの人々は 世界に先駆けて→
さまざまな鉄器の量産に成功していたと大村さんは考えている。
とすれば 彼らは どのようにして

それを成し遂げたのか。
トルコの考古学者らが
古代の鉄づくりを再現した。
材料となるのは…
細かく砕いて 復元した製鉄炉に入れる。
鉄づくりで重要なのは→
鉄鉱石を溶かすために高い温度を保つこと。
青銅よりも500度ほど高い
1,200度前後が必要だ。
そこで欠かせないのが 風の力。
「ふいご」と呼ばれる送風機を使って強い風を送り込む。
長時間 ひとときも休むことはできない。
この日は5時間 風を送り続け→
ようやく
鉄の塊を取り出すことに成功した。
しかし たたいて
不純物を取り除いていくと→
塊は みるみる小さくなっていった。
果たして ヒッタイトの人々は→
どのようにして
鉄の量産を実現したのだろうか。
考古学者の大村さんは
その謎に 生涯をかけて挑み続けてきた。
向かったのは 遮るもののない険しい岩山。
ヒッタイトの遺跡の一つだ。
大村さんは ヒッタイトの
鉄づくりのカギになったのは→
厳しい自然環境だと考えている。
おっとっと。 あっ いいです いいです。
(風の音)


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