気にするそぶりもありません。
2組の親子が 争うことなく
食べ物を分かち合っています。
性格は ずいぶん おおらかなようです。
食事を終えると 親子たちは森の中へと姿を消してしまいました。
ここからの追跡は極めて困難です。
幻のクマと言われてきた メガネグマ。
これまで 森の中での暮らしは
ほとんど記録がありません。
この深い森の中で
いったいどんな暮らしをしているのか?
私たちは
研究者のラグナさんの調査に同行。
メガネグマが姿を消した
雲霧林を探ってみることにしました。
湿気の多い雲霧林の中。
地面は ぬかるんでいて思うように進めません。
メガネグマの痕跡を探しながら
奥へ奥へと進んでいきます。
行く手を 激しい川の流れが阻みます。
慎重に渡りますが…。
あららら! 全身 水浸しです。
一本の獣道を たどっていた時異変が起きました。
ラグナさんが周辺を確かめます。
あっ 真新しい足跡。
大きさは15センチほど。
この獣道を歩いているようです。
少し進むと 不思議な木を見つけました。
こけむした木の幹。
でもなぜか 下のほうだけ
コケが生えておらず→
ツルツルとしています。
そこでラグナさんが何かを発見。
メガネグマの毛です。
周囲を調べると この木が 重要な場所に生えていることがわかりました。
スタッフが
歩いているのは獣道。
四方八方から獣道が交わる
森の交差点のような場所だったんです。
こうした木のそばに ラグナさんは→
いくつかの無人カメラを仕掛けて調べました。
その一つが捉えた映像が こちら。
大きなオスが現れました。
後ろ足で立ち上がって…→
おや? 背中を木にスリスリ。
木の表面がツルツルしていたのは
このためだったんですね。
それにしても このオス
いったい何をしているんでしょう?
おや? 今度は 一回り小さなオスが
現れました。
木のニオイを嗅いでいるようですが…。
あっ 何もせず立ち去りました。
大きなオスがしていたのは ニオイ付け。
小さなオスは そのニオイを嗅いで立ち去ったとラグナさんは考えました。
…というようなメッセージをね。
獣道が交わる森の交差点。
さまざまなクマたちが
ここを行き交っていると考えられます。
見通しの悪い森の中。
もしオス同士が鉢合わせすると争いになってしまう危険があるんです。
これを避けるため あらかじめニオイで→
自分の存在を示しているのではと ラグナさんは言います。
ニオイのする位置が高ければ高いほど→
大きくて強いオスだということがわかります。
ニオイを嗅いで 自分より
強い相手だと悟ると ほかの場所に移動。
鉢合わせが避けられます。
深い森の中で 争いを避けて生きるメガネグマ。
伝説で語られてきた
怪物のようなイメージとは異なる→
穏やかで平和な暮らしを
送っているようです。
第2章は 子育て。
やって来たのは垂直の崖!
枝の上で赤ちゃんが遊んでいると…→
あっ 滑った! これは大変!
なんと
そのまま落っこちちゃったんです。
♪♪~
メガネグマの謎の生態を解明しようと→
首元に取り付けられている記録装置。
研究者のラグナさんは 森の奥など→
直接観察できない場所でのクマの行動も
これで探ろうとしています。
装置の中には
クマの詳しい行動記録が蓄積されます。
分析のため 装置を回収するんですが
これが大変!
まずは 遠隔操作で外します。
あ 落ちてる。
落ちた場所まで向かうんですが…。
急斜面は ものすごいヤブ!
はいつくばって登ります。
1時間ほどかけて ようやく装置が落ちたあたりまで登ってきました。
早速 回収したデータをチェック。
すると 今回調査したメガネグマは→
夜の間も活発に動いていることが
新たにわかりました。
ラグナさんたち研究者の