2020/01/19(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「しあわせの小宇宙 台所」[字]
大分県杵築市。
豊かな自然の中にたたずむ
一軒の古民家があります。
民宿を営んで暮らす
松本未來さんと裕美さんです。
お二人の台所。
民宿の開業をきっかけに 自分たちの手でリノベーションしました。
特に こだわったのが
レンガで作った かまど。
やっぱり生活の中に火だったり
そういうものは欲しいなとは思ってて→
そことの ちょっと違いみたいなもので→
ここは オーブン暖炉みたいな形で作ったんですけど。
調理は火をつけるところから。
まずは 火がつきやすいスギなどの薪でたきつけます。
炎が大きくなってきたところで→
クヌギなど 火もちのよい薪をくべていきます。
およそ1時間で「熾火」と呼ばれる状態に。
温度が安定し調理ができる状態になりました。
結婚して初めて かまどに触れた
という裕美さん。
未來さんのお母さんが作る
かまど料理に すっかり魅了されました。
レンガ窯は発生する遠赤外線によって→
素材の芯まで熱を伝えることができるため うまみが出ます。
じっくり時間をかけて
料理が仕上がっていきます。
(裕美)
時間のかかる仕事ではあるんですけど→
その時間をやっぱり使えてる
ということは すごく幸せだなと思うし。
何か ピッ!で終わらない生活
というのは→
すごく私にとっては 今は とても
幸せな時間だと思ってます。
こんにちは。
どうもどうも。
近所に住む お母さんが
お昼ごはんに やって来ました。
メニューは自家製野菜たっぷりのピザと
お母さん直伝のもち麦のスープ。
スープどうかな。
でも結構 やわらかく いってる。う~ん。
このプツプツ感はいいね!
いい?
よくできてます!
やった!
おいしい。
かまどを通じて受け継がれる味そして暮らし。
今日 二つ目のツボは…
創業から400年続く老舗の料亭があります。
京都の四季折々の旬の味覚。
名物のおだんごは やさしい甘みが旅の疲れを癒やすと評判です。
伝統の味を求めて
全国からお客さんが訪れます。
その味を支えるのが こちらのかまど。
京都では親しみを込めて「おくどさん」と呼びます。
おだんごも
おくどさんで炊き上げています。
店と共に おくどさんを
受け継いできました。
女将の1日は おくどさんに
火を入れるところから始まります。
連なった5つのおくどさんは
炊飯 煮炊きなど それぞれに役割が。
朝一番に湯を沸かし
おくどさんに お供えします。
おくどさんには 災いを防ぎ
家を守る神が 代々祭られてきました。
煙は かやぶき屋根の虫を払う効果も。
おくどさんは家の手入れにも一役 買っています。
お昼どき 店内が にぎわい始めました。
客足が落ち着き 一段落したところでおくどさんのすす払い。
丁寧に感謝を込めて 次の日に備えます。
お店を継ぐのは 長男の匡人さんです。
今は父 母が やってますけど これから
僕がやって→
そのあとは 自分の息子たちが
やってくれるかなと思うんですけど→
ここの家に なくてはならないものですし
同じように続けてはいきたいですけどね。
(アラーム)
そこまで!
さあ 何を作ったんじゃ?
神様は何を作られたんですか?
わしは これじゃ。
何もないじゃないですか。これ 私の勝ちですね。
ふん わしの勝ちじゃ。
え? 何で?
霞という気持ちのこもった
ごちそうじゃ!
大阪・鶴橋にある長屋通り。
その中の一軒を訪ねると…。
何とも かわいらしい台所が。
台所のあるじは…
有名絵画そのものに「なる」という
独自の作風で知られる森村さん。
台所にも また自分の分身のように
愛情を注いでいます。
僕ら 美術作品を作る時に 展覧会なんかで