自宅には 犬に加え3匹の猫。
庭には 飼い主が飼えなくなり
引き取ったという カメが4匹。
人より生き物が多い家。
田向さんが 秘密の部屋を見せてくれた。
(取材者)距離があるんですね。
自他ともに認める 根っからの動物好き。
それが 日々の診療にも
生かされているという。
はい こんにちは。
こんにちは。
ここですね。
この日 やって来た…
甲羅に8センチの亀裂が入っていた。
カメが嫌がらないように手早く 抗生剤を打つ。
(田向)これね…
取り出したのはコンクリートなどの接合に使うパテ。
これで 割れた部分を覆う。
従来 甲羅の接合には→
液状の樹脂が使われていた。
でも 割れ目にしみ込み甲羅が腐敗。
それがもとで
命を落とすケースが→
後を絶たなかった。
胸を痛めた田向さんが→
割れ目にしみないパテを
用いる方法を考案。
甲羅を自然に
接合できるようになった。
無類のカメ好きで→
一緒に暮らす田向さんだからこその画期的な治療法。
海外の専門誌にも 論文が掲載され
世界のカメの手術を変えることになった。
2年前 尿結石の手術で
甲羅を切ることになった→
ケヅメリクガメのリクちゃん。
パテを施した傷痕はもうどこだか分からないほど。
♪♪~
おっ!
(笑い声)
(笑い声)
あっ そうなんですか。
へえ~。
また 珍しい動物がやって来た。
ネズミの仲間…
人の汗をなめる奇妙な行動を
飼い主は心配していた。
真っ先に診たのは 口の中。
(飼い主)出てます。 結構出てます。
野生のチンチラは 木をかじるため
前歯が これほど伸びることはない。
この歯が原因で 十分に食事がとれず→
栄養不足に陥っていると にらんだ。
眠らせて 更に詳しく調べる。
野生では考えられないほど奥歯も伸びていた。
動物を飼うということ。
田向には ひとつの信念がある。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
(田向)いった いった いった いった。→
いけそうだね あれくらい飛べれば。
田向さんは 1973年 愛知県の生まれ。
人と交わるのが苦手な少年。
心許せたのは 虫や動物だった。
カエル。
ナマズ。
たくさんの動物を飼育した。
何より溺愛したのが
グリーンイグアナのミドリちゃん。
ある時 重大なことに気がついた。
ミドリちゃんが病気になったらどうしよう…。
自分で治せるように 獣医師になろう。
将来が定まった。
でも 大学入試の面接で
志望動機を答えた時 事件は起きた。
けれど 結果は合格。
大学で イグアナのことは教えてもらえなかったが→
動物園などに出向き 知識を身につけた。
卒業後は は虫類なども扱う動物病院に就職した。
でも そんな田向さんに
周囲の目は冷ややかだった。
最もつらかったのは→
エキゾチックアニマルが想像以上に来なかったこと。
3年で別の病院に移ったが→
そこは 全くと言っていいほど来なかった。
29歳の時 開業を決意した。
でも 手元に資金はなく→
犬猫以外の動物に力を入れる病院は
周囲から猛反対にあった。
それでも 背中を押してくれる人がいた。
両親…
幼い頃から動物好きだった
田向さんのことを→
誰よりも理解していた。
大工と美容師の共働きで建てた実家を担保に入れ 3,000万円を工面。
貸してくれた。
でも ようやく開業にこぎつけたものの→
エキゾチックアニマルを