2020/01/26(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル ホットスポット最後の楽園 season3(1)[SS][字]
幅1メートルもある口で水と共に吸い込みエラでこしとって食べる>
<一日でろ過する水の量は
50メートルプール2杯分にもなるという>
<大量のプランクトンが
巨大な体を支えているのだ>
<そんなジンベエザメが
毎年夏になると大集結するという。→
その数 なんと数百。→
世界でもここでしか見られない珍しい現象だ。→
一体 何が 彼らを
この海に引き寄せるのだろうか?→
それが
ユカタン半島 第2のミステリーだ>
<大サンゴ礁の発達と
ジンベエザメの大集結。→
2つのミステリー。→
まずは サンゴ礁発達の秘密を解き明かしていこう>
<ユカタン半島の地形は 実に独特だ。→
どこまでも真っ平らで川らしきものは見当たらない>
<突然 森の中に
水で満たされた円い穴が現れた>
<点々と地平線の向こうまで続いている。→
こんな穴が ユカタン半島全体で5,000個もあるという>
<この穴は
地元でセノーテと呼ばれている。→
先住民族 マヤの
泉を意味する言葉が語源だという>
<その正体を確かめるため
森の奥へと向かった>
<満々と水をたたえたセノーテ。→
水は やや冷たく透き通っている>
<マヤの人々は 神々が住む地下世界への
入り口だと考えていたという>
<一体
穴の奥は どうなっているのだろうか?→
セノーテに潜ることができるのは
特別な訓練を受けたダイバーだけ>
<さあ 地下世界への冒険に出発だ>
<セノーテの中は洞窟になっていて奧は かなり深い。→
しかも
いくつにも分岐していて迷路のようだ>
<確実に戻ってこられるように→
岩にロープをくくりつけながら進んでいく。→
迷うと命取りだ>
<頼りは 水中ライトの明かりだけ>
<人一人が ようやく通れる狭い通路を
奧へ奧へと進んでいく>
<洞窟は 毛細血管のようにつながっていて
全体像は いまだに分かっていない>
<潜り始めて1時間。→
広い空間に出た。→
まるで空を飛んでいるよう。→
完璧なまでに透明な水が見ている者の錯覚を誘う>
<天井からは
鋭くとがった岩が無数に突き出している>
<これは 鍾乳石。→
石灰分を含んだ水が天井から滴り落ち長い時間をかけて固まって出来る>
<ここは水中鍾乳洞なのだ>
<透明な水で満たされた広大な地下世界。→
一体 どのようにして出来たのだろうか?>
<謎を解くヒントがセノーテの入り口にある。→
その壁に ユカタン半島がたどった
激動の歴史を見ることができるという>
サンゴの化石。
<岩はサンゴの骨格が変化して出来た石灰岩>
<なんと 大地そのものが
サンゴで出来ているのだ>
半島の地下に広がる水中鍾乳洞。
その誕生には→
地殻変動と地球規模の気候の変化が
深く関わっています。
今から1億年以上前 海底にあった
広大な面積のサンゴ礁が隆起。
真っ平らな石灰岩の台地が作られました。
それがユカタン半島です。
石灰岩は 水はけがよく→
半島に降る雨のほとんどは地面に染み込みます。
川がないのは そのためです。
染み込んだ水は汚れがろ過され透明になります。
そして 石灰岩を溶かしながら
地下水脈となって海へと流れ出します。
溶けて薄くなった表面の一部が
重みで崩れ落ちます。
それが セノーテの円い穴です。
氷河期になり海水面が下がると地下水脈の水位も下がり→
洞窟となりました。
この時 石灰分を溶かした雨が天井から滴り落ちて→
無数の鍾乳石を作り出したのです。
やがて 長く続いた氷河期が終わりを迎えます。
すると再び海水面が上がり
鍾乳洞は地下水で満たされました。
こうして幻想的な
水中鍾乳洞の世界が生まれたのです。
点々と連なるセノーテ。
それぞれが 水中鍾乳洞を通じてつながっているといいます。
その距離は全長2万キロとも。
ユカタン半島には 世界最大の地下水脈が広がっているのです。
<壮大な地球の歴史が作り出した
水中鍾乳洞。→
更に進むと神秘的な場所が現れた。→