ダイバーが泳いでいる下にもう一つ 水面があるように見える>
<ダイバーが潜った。→
水面のように見えたのは実は淡水と海水の境界線。→
比重が違うため
2つは 混ざり合わないのだ>
<この海水と淡水のつながりが 地下世界に
独特の生き物たちを進化させた>
<これは目のない魚。→
暗闇で生きるため必要のない目は退化した。→
大きさは10センチほど。→
体は色素を失い血液が透けてピンク色に見える。→
もともと海に住んでいた祖先が
地下水脈に入り込み→
漆黒の世界に適応し 固有種となった>
<体長5センチほどの目のないエビもやはり海からの侵入者>
<これは水中に住む
1センチほどのダンゴムシの仲間。→
深海など過酷な環境でも生きていける>
<独自の進化を遂げた地下水脈の生き物たち>
<地下水と海水の出会いが→
ほかでは見ることのできない特別な世界を作り出していた>
<海水の層に入り 進んでいくと
やがて光が見え始めた>
<海だ>
<目の前に広がるのは豊かなサンゴ礁。→
第1のミステリー。→
ユカタン半島の沿岸に大サンゴ礁が発達する謎が解けた。→
石灰岩でろ過された水が
地下水脈を通って流れ出し→
海を驚くほど透明に保っていたのだ>
<大地が 美しいサンゴ礁を作り上げていたユカタン半島。→
その沖合で起きるという
第2のミステリー→
ジンベエザメ大集結の謎を
ひもといていくことにしよう>
<押し寄せてきたのは
体長20センチほどのイワシの大群>
<プランクトンを求め やって来たのだ>
<そこに現れたのは体長60センチほどのカツオの仲間>
<イワシを追ってきたようだ>
<カツオに追われ大群から小さな群れが引き離された>
<塊となって身を寄せ合っている>
<カツオの攻撃が始まった。→
イワシの群れは海面まで追い詰められた>
<逃げ場を失ったイワシを上空から狙うものがいる>
<海鳥だ。→
水面から飛び出すイワシを待ち受けている>
<空からは鳥。→
水中ではカツオ>
<逃れることは不可能だ。→
だが これはイワシの大群のほんの一部。→
膨大な数が
この海の生態系を支えているのだ>
<イワシを追って
更に大きなハンターがやって来た。→
長い上顎が特徴のバショウカジキだ>
<全長は2メートルほど>
<数十匹が集まりイワシを追う>
<名前の由来である芭蕉の葉のような大きな背ビレを広げ→
イワシの行く手を阻みながら
取り囲んでいく。→
まるでオオカミのように
群れで連携して狩りをするのだ>
<イワシを水面まで追い詰めた。→
バショウカジキの狩りは 実に独特。→
長い上顎を
イワシの群れに差し込んで振り回し→
たたいてから捕らえる>
<上顎を獲物を捕る道具として使っているのだ>
<バショウカジキは
最も速く泳ぐ魚の一つ。→
そのスピードは
時速100キロともいわれる>
<群れで連携し
次々と獲物を捕らえるバショウカジキ。→
こうした狩りをする魚は
ほかには知られていない。→
巨大魚たちとイワシの
すさまじい命の攻防。→
それを間近で見ることができるのは
世界でもユカタン海峡だけだ>
<一体 なぜなのだろうか?>
ユカタン半島の沖に多くの生き物たちが集まる秘密。
ここにも
地球規模の地殻変動が関係しています。
数千万年前
カリブ海のプレートの動きにより→
半島の東側に島が隆起します。
キューバです。
そして
2つの陸地の間に浅い海域が生まれます。
それがユカタン海峡です。
更に 300万年前もう一つの出来事が起こります。
北米と南米を結ぶ
パナマ地峡が誕生したのです。
それまで太平洋に流れていた海流は
行き場を失い→
唯一の出口となった
ユカタン海峡へと向かいました。
すると深海を流れていた栄養豊かな海水が