ミリ単位で調整された厚み。
砥部焼のこだわりです。
砥部焼には もう一つ工夫が。
それは 縁の部分に
丸く厚みを持たせた玉縁。
重い器を持ちやすく→
更に 口当たりをよくするための工夫です。
♪♪~
頑丈さから生まれた→
砥部焼ならではの
ぬくもりがありました。
いてっ…。
ところで 草刈さん→
けんかの原因は
何だったんですか?
いやね
さっき 押し入れ整理してたら→
この皿が出てきてね→
思わずね→
「パッとしない柄だね」って
言ったの。
そしたら 妻が 「それ 昔→
私がプレゼントした皿じゃない!」なんて言うんだよ。
うわ~ 言っちゃった。
「そんな事で怒るなよ」って言ったんだけどね→
あと もう
収拾つかなくなっちゃって…。
最悪。
でも これ 改めて見ても→
ちょっと 柄が単調すぎない?
料理を盛ってみたら違うんじゃないですか?
千葉県八千代市にある
フランス料理店。
創業以来36年間
砥部焼の器を使っています。
気負わない絵柄が→
料理を引き立ててくれるといいます。
♪♪~
トゲトゲしてないので非常に飽きにくい。
そういうふうに感じはします。
今日 2つ目の壺は→
「主役を引き立てる素朴な風合い」。
砥部焼の代表的な絵柄唐草文様です。
青一色で描かれた モダンな柄。
実は この文様が生まれたのは僅か半世紀前の事でした。
大正時代に人気だった砥部焼も
昭和に入ると 多くの窯元が廃業。
伝統が途絶えそうになりました。
しかし 昭和28年→
民芸運動の指導者 柳 宗悦たちが
砥部の地を訪れ→
砥部焼の復興を後押しします。
それまでの砥部焼の文様は→
型紙による絵付けが
ほとんどでした。
柳たちは 型紙ではなく
手描きによる絵付けを提案。
絵付けに興味のある若い人材を
全国各地から募りました。
そこで やって来たのが→
青森県出身の工藤省治さんです。
20代半ばまで
洋画家の道を歩んでいた工藤さん。
新たな表現に挑戦したいと
焼き物の世界に飛び込みました。
…という話の付け根が
そこら辺から出発しました。
俺は描けるぞって気持ち
持ちましたね そのころはね。
細い線の絵付けをまねていては→
有名産地を追い越せない。
工藤さんは
大量生産もできるよう→
太い筆を使って
大胆に描く事にこだわりました。
工藤さんが
最初に考案したのが…
東北のこけしに描かれる
菊の花びらに着想を得ました。
工藤さんは
更に 独自の絵柄を追求します。
そして 生まれたのが…
参考にしたのは→
旅先で出会った ある文様でした。
何人かで ヨーロッパを回って歩いて→
一番帰りに 最後の最後に…
工藤さんが考案した唐草文様は→
単純化した一本のつるを
渦巻き状にして構成したもの。
伝統的な唐草文様と
全く異なる絵柄は→
たちまち評判を呼びます。
やがて 全国から注文が殺到。
工藤さんの唐草文様は
手早く描きやすいため→
次々に作られていきました。
♪♪~
今では ほかの窯元でも
この文様が受け継がれています。
こうして 唐草文様は→