重いほうがいいんです ホントはね。
ホントは
いいけども。安定するんです。
道具とかが
もうず~っと使う癖があるんですよ。
ピッケルって分かります?
分かるよ。
こういうやつね
。
15歳の時に
この世界に入って初めて買うわけですよ。
ピッケルを
。
初心者用のピッケルを
買うんですけど。
先端?
シャフトっていうピッケルの。
あぁ
分かる 分かる。
ここんとこが
スプーンみたいなやつがあるんですよ。
スプーン…
とんがってるよね普通のピッケルは。
とんがってるところが
スプーンみたいになってるのがあるんです。
はぁ~
。これは どうしてかっていうと→
ピッケルって
登る時も つえで使いますけど→
転んだ時に
雪の中で… 滑って落っこってくじゃないですか。
その時に
この先端をズブって 雪に刺して。
あぁ
そうか。ブレーキで止めるんですよ。
あぁ~
なるほど なるほど。
そうすると
初心者の人は 割と春山からスタートするので→
やわらかい雪
イメージするのでスプーンのほうが→
ガツンってやった時に
ブレーキになるじゃないですか。
はぁ~
そう うん 専門家…分からへんけど うん。
僕の言ってること分かります?
今のところ分かる。
それを
15歳の時に買っていまだに→
それを使ってるんですけど
問題は そのピッケルで→
ヒマラヤに行くように
なるわけじゃないですか。
氷壁を登ってる時に
ガリンガリンで 氷ですよね。
エベレストで
おっ!と思ってガンとやるわけですよ。
氷の時や
うん。(野口) スプーンのピッケルを。
ハ~ンってやったら
スプーンだったので→
氷に刺さんないじゃないですか
。うんうん。
(
野口) どうなるかっていうとはね返って来るわけですよ。
ピッケル
の反対側 やっぱし シャープになってて 氷を砕くためなんで。
それが
もろ おでこにバ~ンって来て→
そこで
ヒマラヤの中で血を噴いたことがあったんですね。
だから
やっぱし道具っていうのは古い物もいいんですけど→
たまには替えたほうがいいと思う
。
何の話やねん!
(笑い)
俺たちには
役には立たない…。
登る人だけや
専門チャンネルで言え それ。
いやいやいや
だから それは僕にとっての道具ですけど→
みんなにとって
それぞれの道具があるわけじゃないですか。
ピッケルは
僕らにとって刀みたいなもんなんですよ。
分かりますよ
それは。例えば いつか山で→
遭難することが
あるかもしれないじゃないですか。
その時に
あぁ~ってこうやってね 死んでく時に→
ずっと一緒の
ピッケルだったら 一緒に死んで行けるじゃないですか。
彼女なんだ
。そうなんですよ。
体の一部やねんもんな
ピッケル。体の一部なんですよね。
こいつと一緒に死にたいという