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2020/05/03(日) 21:00〜22:10 NHKスペシャル「調査報告 クルーズ船〜未知のウイルス 闘いのカギ〜」[字]


判断すると
救える命が救えなくなる。
阿南さんたちDMATは新型ウイルスに対応した
新たな搬送の優先順位を
考え出しました。
それは感染者への対応を
重視する検疫の概念を
大きく覆すものでした。

最優先のカテゴリー1は
陽性かどうかに関わらず
重症ですぐに治療が必要な人たち。
カテゴリー2は
陽性かどうか分からなくても
基礎疾患を持つ高齢者など
リスクが高い人たち。
カテゴリー3は
陽性と判明しているものの無症状か軽症の人たちです。
≫しかし
この提案は議論を呼びます。
命に関わる


カテゴリー1については
全員が賛同。
カテゴリー2と3について意見が分かれたのです。
重篤になるリスクがある場合でも
陰性であれば船内で対応できるのではないか。
たとえ、軽症でも陽性の人を
船に留め置いていいのか。
中森医師の手元に残る
当時、議論した際のメモ。
現場は結論を出せないまま
目の前の事態に対応せざるをえませんでした。
≫39度の熱に苦しむ夫の搬送を
待ち続けていた女性。
ようやく部屋に
医師がやってきたのは
最初の電話から
3日後のことでした。
≫夫は病院に運ばれた直後に
陽性と判明。
次の日には女性本人も
陽性だったことが分かりました。
夫は40日の治療の末
亡くなりました。
感染の恐れがあるため
最後まで体に触れることも
直接、語りかけることも
できませんでした。
武田≫ガラス越しにしか
最後の別れができなかったという
女性のことばが胸に刺さります。

このウイルスによる
感染の非情さ、恐ろしさを
改めて感じます。
社会部の牛田デスクと
お伝えします。
船で起きた
3密や接触感染のリスク
そして医療現場の混乱。
もっと早く共有できていればその後の、社会全体の危機感も
変わってきていたかもしれない。
そう思わざるをえないんですがどう捉えていますか?
牛田≫確かに、クルーズ船で
起きた問題
これは今まさに日本が
直面している課題なんですね。
こちら国内の新規感染者の推移を
表したものなんですが
クルーズ船の事態が発生したのが
2月の上旬でした。
このときは、新規感染者
まだ1桁台だったんですね。
この段階で
クルーズ船で起きたような
3密による集団感染ですね。
これが、各地でも起こりうるとか
あるいは身近でも
起こりうるんだというような
危機感ですね。
これを社会全体に広く共有されていたとは
いえないと思います。

今、VTRでありましたサイレント肺炎のような
ウイルスの特性については
時間をかけた検証の中で
少しずつ
明らかになってきていますので
これは、今からでも
こうした知見というのは
生かしていくべきだと思います。
武田≫クルーズ船の闘いは
最終局面に入ります。
船内は新たな様相を
見せ始めていました。
≫クルーズ船が横浜に停泊して1週間。
船内での隔離が長引き
行動が制約される中で
新たな課題が発生していました。
乗客の発症者の推移を見ると
2月7日をピークに
減少に転じていることが
分かります。

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