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2020/11/29(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」[字]


どの部署も 助けに乗り出すことが難しい。
本人の同意がなければ

プライバシーや人権への配慮から→
強制的な介入もできない。
この日の会議では有効な手だてが見当たらなかった。
親が生きているうちに
対策を打とうとしても→
その親が 解決を諦めている現実もある。
こんにちは。
この家庭は…
関わるようになって 2年がたつがいまだに 手だてが見つけられずにいた。
6年間 ひきこもっている息子は→
石橋さんが訪ねると家を出ていってしまった。
母親はパートに出て 生活を支えてきたが
今年 新型ウイルスの影響で失業。
家賃を滞納し 退去を迫られているが→
息子とは話し合うこともできていなかった。
そうだよね そうだよね。
すいません。
なぜ命を落とすまで


ひきこもり続けるのか。
亡くなった 牧岡伸一さん。
弟の二郎さんは タクシー運転手として早くから自立してきた。
働かず 社会と関わりを断った兄を
自業自得と捉えてきた。
しかし最近 その死の意味を
考えるようになった。
新型ウイルスの影響で仕事が減少。
自身も社会との関わりが薄れていた。
二郎さんは 今年 業者に依頼し→
手を付けられなかった遺品整理に取りかかった。
初めて 兄が長年ひきこもっていた部屋に
足を踏み入れた。
目に留まったのは
積み重ねられていたノートの束。
まだ ひきこもる前→
書籍の訪問販売でなんとか成績を上げようとしていた。
「園芸本を時々買う」。
「28才の息子が本好き」。
一冊でも多く売ろうと努力する
兄の姿があった。
非正規で働いていた 伸一さん。
ノルマの達成や競争が求められる中→
成績が上がらず
2か月で職場を追われていた。
安定した仕事に就こうと
公務員試験や就職活動に臨み→
ようやく医療事務の正規職員に。
そこで待っていたのは当直や深夜残業を繰り返す日々。
伸一さんは 体調を崩し

仕事を続けられなくなった。
積まれた仕事のノートの下から
メモが見つかった。
「生きていても
ちっとも面白くない」なんて…。
「就職 教員 公務員。→
生きていても ちっとも面白くない。→
健康さえも ないがしろにして→
働くだけ働いて頭の中は空っぽなのだから」。
死が迫ってなお
助けを求めないのは なぜなのか。
2人の死に直面した
支援員の石橋さん。
今年2月
ある ひきこもりの男性を助け出した。
伊藤茂夫さん 60歳。
8年前に職を失って以来→
ひきこもってきた。
だが 去年11月 親の死で所持金が底をつき追い詰められた。
このまま死んでもいいと思ったのは
社会に対する絶望だという。
43歳の時に 清掃の作業員から→
目指していた事務職へと移った伊藤さん。
しかし 効率を求める職場のスピードに
ついていけず→
上司から 人前で何度も叱責されたという。
43歳の新人に手を差し伸べる同僚もいなかった。
精神的に追い詰められ 適応障害に。
退職に至った。
仕事もせず 家にいる姿を

子供に見せたくないと→
自ら離婚を切り出した。
50を過ぎた伊藤さん。
社会のレールに戻るのは難しかった。
自分は社会に必要とされていない。
その思いから
助けを求めようとしなかった。
たった一つの 逃げ場だった家。
そこでも 本人は追い詰められていた。
兄 伸一さんを亡くした 牧岡二郎さん。
遺品の中にあった 父の日記に→
兄が死に向かっていった日々が
克明につづられていた。
高度成長期 製鉄所の工員として
勤め上げた父 吉之さん。
伸一さんは 働き口が見つからないことを
とがめられていた。
親の思いが おもしとなって
伸一さんは 孤立を深めていった。
自室に閉じこもり→

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