(千代)うちは かわいそやない。
明日も きっと 晴れやな。
(テルヲ)戻ったで~!
(栗子)こんにちは。
この人が 今日から お前のお母ちゃんや。
はあ~っ!?
おうおうおう… 待て待て。
なあ… 前のお母ちゃんのことは
すっぱり忘れて→
これからは あの人のことを
お母ちゃんって呼ぶんやで。
そら あんまりやわ。
千代ちゃん ガツンと言うたり!
文句あんのか?
これからは→
あの人に家のことやってもらえんねんな。
まあ… おう そやな。
ヨシヲの面倒も見てくれんねんな。
そら なんちゅうても お母ちゃんやさけ。
ほしたら うち 学校行けんのか?
うち 学校行けんのやな!
でかした! ようやった!
よっしゃあ~!学校や! 学校行けんねや!
何や うれしいんかい!
学校や! 学校やないか!
学校や 学校や! 学校や~!
学校や~!
♪♪「オレンジのクレヨンで
描いた太陽だけじゃ」
♪♪「まだ何か足りない気がした」
♪♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪♪「転んでも ただでは起きない」
♪♪「そう 強くなれる」
♪♪「かさぶたが消えたなら」
♪♪「聞いてくれるといいな」
♪♪「泣き笑いのエピソードを」
♪♪~
≪(鶏の鳴き声)
娘の千代や。 まあ こねなお父ちゃんと
一緒になったってくれて おおけに!
「こねな」は余計や。
ヨシヲ よかったな。
新しいお母ちゃんやで。
(ヨシヲ)うん!
うち 今から 役場行て
明日から学校行く言うてくるさけ。
なあ テルヲさん お風呂どこ?
風呂? 風呂なんかあるけ。
あっ 水汲んできたらあ。
気ぃ付けよ。おう ほな。
風呂は あの… えっと…。
<お母ちゃん…お母ちゃんのことは忘れやぃん。→
けど これからは あの人のことを
お母ちゃんて呼ぶ。 堪忍>
話が違うやんか。
えっ? 風呂あるて言うたけ?
ううっ… こぼれた。
何もしやぃんかてええ。一生 楽さしたるて言うたやんか。
おう そや。 楽さしたろ。 楽さしたろ。
今日は もう… 楽さしたる! 飲もう。
(鶏の鳴き声)
そして 翌朝。
姉やん おなか減った。 姉やん。
姉やん 姉やん。お母ちゃんに言いな。
あかん。
お父ちゃん 朝やで!
朝! 朝! 朝! 起きろ! 起きろ!
栗ちゃん 栗ちゃん 栗ちゃん…。
ちゃう! ちゃう! ちゃう!
栗ちゃ~ん!
♪♪~
堪忍な 堪忍やで。
千代ちゃん 今日から学校やろ。
急がな遅刻すんで。
あっ! しもた! あっ…。
(ヨシヲ)姉やん 行っといで!うん!
あっ!
(転ぶ音)
(玉井)はい 今日から
みんなと一緒に勉強するお友達です。→
さあ 挨拶してください。
竹井千代です。
あっ シラミは もう わいとれぃんさけ。
(玉井)では 国語の授業を始めます。各自 墨をすってください。
この子は隣の小林さんとこの
え~と あ~ え~ あっ…。
勝次 よろしいにな。
それや 勝次君や。
(勝次)弟 ほったらかしか?
新しいお母ちゃん 来たさけ。
お母ちゃん!?
どねな人や?
そら べっぴんさんで 優しいて
どえらい働き者や。
多分な。
(いびき)
え~ それでは 37ページの13