2020/12/01(火) 16:35〜16:50 【連続テレビ小説】純情きらり(110)「ショパンよ母に届け」[解][字]


帳場を タネさんに任せとられるんですよ。
やっぱり 安心なんですかねえ

実の妹さんだと。ええ…?
(仙吉)若女将。
はい。
昨日は 泥棒も出なんだし
今日は もう 大丈夫でしょう。
先に あがらせてもらいます。
お疲れさん。
お疲れさん。
≪(物音)
♪♪~
あんたら 一体 何しとるだん!?
これは 海軍さんに納める事に
なっとる 八丁味噌の樽だがん!
これ 持ち出して どうするだん!?
売るんですよ。
横流しするつもりか?
こんな ご時世になっても→
八丁味噌を 高値でもいいで


買いたいっちゅう人が→
おるんですよ。→
そういう人に売った方が味噌も喜ぶし→
うちだって
助かるじゃないですか。
野木山さんも そう思うんですか?
利雄さんと 話し合って→
わしも 味噌を売る事に
同意したです。→
背に腹は代えられんわ。
店のもんの給料だって→
このところ
どんどん 目減りしてって→
わしらの暮らしも ギリギリだがね。
女将さんも 頼りになりません。
(かね)誰が
頼りにならないですって?
おおお!
タネ。 一体 どういう事?
国を挙げて 戦っとる時に
八丁味噌 横流しするなんて。
これも 店のためだわ 姉さん。
お父さん お母さんから譲り受けた店を 潰さんためにも→
稼げるうちに 稼いどかんと。
店は 早晩 潰れてしまうよ!
呉服屋を潰して転がり込んできた
あんたに 言われたあないわねえ。
ほいでも 海軍さんに売るための
味噌に 手ぇ出すなんて→
私は 断じて許さんよ!

ほいじゃ 蔵の奥にあった3年仕込みの八丁味噌。
あれを代わりに売ればいいだらあ。
駄目です! あれは。
達彦さんが戦地から戻るまで
大事に寝かせておこうって→
みんなで決めた味噌なんです。
達彦が帰ってくるまでは指一本 触れさせん!
姉さん。 ほいだったら聞くけど→
達彦ちゃん本当に帰ってくるのかん?→
戦地に行ったきり もう 1年半も
便りがないだらあ。→
もう
帰ってこやへんじゃないかん?
姉さん。 3年寝かせた八丁味噌→
この先 何年 寝かせとくおつもりですか?
このまま寝かせといても
悪くなるだけですよ。
それは…。
悪くなるだけの味噌にこだわるなんて…。→
達彦ちゃんは もう 帰ってこん。
達彦さんは 帰ってきます!
戦死の公報も 何にも
来とらんのだもん。
達彦さん 出征する時
私に 約束してくれました。
「絶対に 生きて帰ってくる」って。
女将さんだってそう思いますよね!
♪♪~
まあ いいわ。今日は まあはい 疲れた。
とにかく 味噌だけは戻しといて。

♪♪~
ただいま。
ああ 桜ちゃん お帰り。
叔母さん…。
さあ 食べりんよ。 桜ちゃん。どうしたの? 叔母さん。
ん?
明日 桜ちゃん お店 お休みだら?
ほいだでね
叔母さん 今晩 ここに泊まって→
久しぶりに 桜ちゃんと一緒に
夕御飯 食べようかなと思って。
お店… 帳場 妹さんが
入っとるみたいだねえ。
知っとるの?
前 通りかかったもんで。
あの松井かね
具合でも悪いのかん?→
「鬼の霍乱」だわね。
ほいでもねいくら 身内だからっていって→
桜ちゃんがおるのに