ストレートに、ダイレクトに
全身を通して
伝えられることかなと思います。
悲しみも喜びも
せりふで伝えることも
もちろん可能ですけれども
それが、メロディーになって踊りになって
そういう
エンターテインメントの形で
お客様に伝わると
受ける印象といいますか
それが100倍にもなって
返ってくる。
私は、普通にお客様として
舞台を見に行くのが
大好きなんですけど、やっぱり
ミュージカルを見たあとの
人の一生を
全身全霊で浴びる感じというのは
ストレートプレーにはない
五感すべてを使って誰かの人生を
一瞬だけのぞき見する
共感していく経験というのは
ミュージカルならではかなと
思います。
美保≫せりふの中に
理屈がないですもんね。
宮澤≫ミュージカルの歌って
いきなり歌いだしたって
よく言われるんですけど
あれは、せりふの延長線上なので
感情が高ぶって、高ぶって
歌に気が付いたらなっているという
そこの
ナチュラルさみたいなものも
多分、ミュージカルに
偏見というか、いやだなと
思っていらっしゃる方も
いるかとは思うんですが一度でも
劇場に足を運んでいただくと
そこの体験というのをしていただけると思いますけど。
船越≫絶対
とりこになりますからね。
一度見てしまえば。
小松≫ミュージカルの世界に飛び込むきっかけとなったのが
おばあさまとの絆に
あったようです。
こちらがエマさんの家系図です。
改めまして、お父様が元外交官。
そして、おじいさまは
宮澤喜一元総理大臣。
華麗なる一族といっていいですね。
おじいさまとは小さいころご一緒に
過ごされていたんですって?
宮澤≫すごく忙しい人ではあったんですけども
いつも、毎週日曜日には
祖父のおうちに行って
みんなで食卓を囲んで。
それこそ祖父は7時のニュースを見て
それが全部済んでから
食卓のほうに来て
父が外交官だったので
英語で時事問題について一とおり語って
その間に、私たち下々の者は
普通の話をしていて
今日、学校でこんなこと
あったよとか話して
しばらくするとこっちの話に
戻ってきてくれるという。
そのときの印象が
自分の中には強くありますね。
小松≫エマさんの
その後の人生を変えるほど
強く影響を受けたのが
お父様のほうの
父方の祖母になりますね。
リディア・ラフルアーさん。
どんな
おばあさまだったんですか?
宮澤≫本当に格好いい女性で
それこそ1つの朝ドラが作れるぐらいの
バックストーリーがある方で
16歳で駆け落ちをして
ニューヨークに出てきて…。
大事に育てられた娘だったのに駆け落ちをして
もともとは、実は
舞台女優になりたいという
夢があったんだけど
いろいろあって
シングルマザーになり
父とおばを育て
いろんな仕事を経て
引退したあとに、もう一度
女優の夢を諦められない
ということで
事務所に所属して
モデルだったり女優として
活躍したりしていたんですけど。
船越≫その、おばあさまの背中を小さいときから
ご覧になっていたのが