♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(磯)桜ちゃん。(桜子)何?
落ち着いて 聞いてね。
達彦さんの事なんだわ。
何!?
杏ちゃんが 入院中の兵隊さんから聞いた話なんだけど→
達彦さんの部隊
激戦地へ送られたそうなの。
長沙っていう場所で
大損害を受けて→
もしかしたら 達彦さんの命も
危ないかもしれんって。
そんな…。
そんなの信じられんよ。
ほうだよね。
叔母さんだって信じたあないよ。
達彦さんが死んだとは 限らん。
生きとるよ 達彦さんは。
そうかもしれん。
ほいだでも そうでないかも…。
叔母さんは 達彦さんに
生きとってほしいと思わんの!?
思うよ! 叔母さんだって思うよ!
けど 桜ちゃん。
いざっていう時の覚悟だけは
しとかんとね。
達彦さんが 戦地に送られて3年。
便りがなくなって 1年半。
戦争は まだ終わらん。
♪♪~
あんた このまんま
達彦さんの帰り待って→
あの「山長」に
おるつもりなのかん?
♪♪~
「山長」の女将の下で生きていくのも→
一つの道かもしれん。
けど もし 達彦さんが帰ってこんかったら→
きついかもしれんけど
考えてほしい。
達彦さんがおらん 自分の人生
どうやって 生きていくか。
♪♪~
(小鳥のさえずり)
おはようございます!
(タネ)おはようございます。
(野木山)おはようございます。
あの… 女将さんは?
「具合が悪い」っち言って
奥の部屋で 休んでますけど。
あっ あの桶の味噌は
予定どおり 売りますからね。→
もう 姉さんに
許可も取り付けてありますから。
本当ですか!?
女将さん。どうして あの味噌を→
タネさん達の
好きにさせてしまうんですか?
私は 絶対 売ったらいかんと
思います。 達彦さんのためにも。
(かね)生きとるかどうかも
分かりゃせん。
女将さんまで
そんな事 言わんどいて下さい。
私も疲れたわ。
うちの人が死んで達彦が兵隊にとられて→
戦争で
商売が あがったりになって。
それでも なんとか この店を
守ろうと思って やってきた。
ほでもね
近頃 本当に 体がきついのよ。→
もう 何もかも
どうでもいいんだわ。
こら! この部屋の物に
勝手に触っちゃ いかんよ!
(太郎)べえ~!
回想 (達彦)俺 おやじからノート もらったんだ。→
親父が味噌屋に入って
苦労した事や→
経験した事が
全部 書いてあるノートでね。→
それ読んでると おやじが
本当に 味噌造りが好きで→
店を愛しとった事が
しみじみ 伝わってくるんだ。
♪♪~
こんなものがあるのご存じでしたか?
あの人の つけとったもんでしょ。
随分と古いもん持ち出してきたね。
♪♪~
「良い味噌を仕込むには見守ること。→
待つこと。 そして 待つこと」。
達彦の字だわ。
達彦が 書き込んどるんだね。
達彦さん… お父さんから譲り受けた この帳面で→
味噌の事を
一生懸命 勉強しとったんです。
口には出さなくても お店の事を