2020/12/06(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル パンデミック 激動の世界5▽コロナ禍 米中 新たな“冷戦”[字]
中でも 反対したのです。
国際社会が感染対策で
足並みをそろえられない中→
パンデミックは深刻の度を
増してきました。
各国の思惑が錯そうする中→
被害が拡大し続けている国もあります。
南半球で最も感染者が多いブラジル。
これまでに 630万人以上が感染しました。
ブラジルでは アメリカや中国
イギリスなど 各国の製薬会社が→
ワクチンの
大規模な治験を行い→
開発競争を繰り広げました。
その一つ…
治験に参加していたのは→
感染を食い止めたいと考える医療従事者たちでした。
一方で 中国製のワクチンに懐疑的な
市民による→
大規模なデモも起きています。
新型コロナが猛威を振るう中で続く混乱。
貧困層が暮らす地区では→
感染しても 治療すら受けられずに亡くなる人が 後を絶ちません。
米中の対立が 世界の感染対策に
暗い影を落としてきた この1年。
各国の製薬会社が
異例の早さでワクチンの開発を進め→
有効性も
確認され始めています。
アメリカも 今月10日以降
国内の供給を開始すると表明。
国民への接種が始まろうとしています。
パンデミックを終息に向かわせるには→
ワクチンが
世界に行き渡ることが重要ですが→
既に 主要国の間で激しい
争奪戦が始まっているのが 実情です。
しかし
悲観的なことばかりではありません。
今 国の枠を超えた模索が
始まっています。
米中の対立を超えて→
パンデミックの終息を目指す国際的な連携。
WHOと 世界でワクチン接種に取り組む
国際団体が立ち上げたネットワーク→
COVAXファシリティです。
現在 180を超える国と地域が 参加を表明。
世界9つのワクチン開発に投資し→
企業やNGOなどと連携して各国に公平に配布することを目指します。
COVAXから支援を受けて
ワクチン開発を進めている→
イギリスの製薬会社
アストラゼネカです。
大量生産するために→
日本を含めた各国の製薬会社とも連携。
ワクチンの完成前から
データをやり取りし→
準備を進めています。
発展途上国に 円滑にワクチンを送り届けるミッションを担うのは→
COVAXに協力するユニセフです。
ワクチン管理に必要なのが保冷設備。
電気のない地域に
ワクチンを適正な温度で届ける→
輸送網の整備を進めています。
一人一人に 確実にワクチンを接種するために期待されているのが→
日本の先端技術。
指紋認証の技術で誰に どのワクチンを接種したのか→
データ管理をする予定です。
それぞれ独自にワクチン開発を推し進めてきたアメリカと中国は→
COVAXの発足当初
参加を見送っていました。
しかし 中国は 10月→
ワクチンの配布でも世界をリードするとして→
立場を変えました。
(歓声)
一方のアメリカのバイデン氏は→
WHOから脱退しないと表明。
COVAXに参加する可能性も出てきました。
バイデン氏に近い民主党の有力者は→
パンデミックへの対応では
国際協調に転じるだろうと語りました。
世界の歴史の中で
不可能と言われた感染症の撲滅を→
国際協調によって
成し遂げたことがありました。
有史以来 脅威であり続けた天然痘を
人類が克服したのは→
20世紀の半ばになってからでした。
その決め手となったのは→
冷戦下で軍拡競争を繰り広げていた
アメリカとソビエトが→
WHOのもとで協力したことでした。
当時 天然痘の根絶計画に関わった人が→
新型コロナの感染拡大が続く
ブラジルにいました。
パンデミックを終息させるために→
かつて世界が実現できた国際的な連携をもう一度見たいと願っています。
アメリカの大統領選挙で
勝利を宣言したバイデン氏は→
いま 新政権の発足に向けた準備を