♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(かね)まあ! 鹿の子寄せじゃん!
これ 梅の花?
もう咲いたのかん?
(桜子)仙吉さんがれの梅が
今 盛りなんですって。
まあすぐ 春が来るね~。
さあ 食べて下さい!
ほいじゃ ありがたく。
(お清)あっ 若女将私が下げときます。
お願い。
(うめき声)
お母さん? お母さん!
お母さん…。
♪♪~
(新藤)いつ 何があってもおかしくない。→
覚悟しといた方が
いいかもしれんね。
♪♪~
桜子さん…。
お母さん。
ねえ 桜子さん。
婚約祝の時
あんたが 達彦と連弾しとった曲→
弾いてくれる?
リストですか?
思い出すねえ…。
あんた 真っ白いワンピース着て達彦の隣に 並んどった。
写真も 一緒に撮ったもんねえ。
幸せだった。
あんたが 達彦と
このうちにおって→
孫が 2人か3人 生まれて→
味噌蔵ん中いたずらして 走り回って…。
そんな日が
いつか来るんじゃないかって→
想像したもんだった。
弾いて あれ。
戸は 開けたままにしてね。
はい。
♪♪~(リスト 「愛の夢」)
(泣き声)
回想
達彦!
これが最後じゃないね?
達彦…。
≪♪♪~(ピアノ)
♪♪~(リスト 「愛の夢」)
達彦…。
♪♪~(ピアノ)
達彦。
♪♪~(ピアノ)
お母さん。
桜子さん…。
私 もうすぐ死ぬわ。
ほんな…。 ほんな事 ありません!
ほんな気弱な事 言わんで下さい!
私が死んだらあんた どうするつもりだん?
やめて下さい。
ほんな事 考えたあない。
今 考えんで いつ考えるの?
どうしたいかはっきり 言ってみん。
私は…。
お店に残りたいです。
女将さんの跡を継いで
達彦さんを待って→
このお店を
ずっと 守っていきたいです。
本当に そう思っとるのかん?
はい。
私に義理立てしとるじゃないね?
いいえ。
♪♪~
私が死んだあと→
この店のかじ取りは
桜子に任せます。
桜子。
これからは あんたが女将として→
この店を
守っていってちょうだいね。
はい。
野木山 仙吉さん。 あんたらでこの子を支えてやって。
はい!
(タネ)ちょっと待ってよ 姉さん。私には 何の権利もないって事?
そんなに慌てんでも あんたの事も
ちゃんと考えてあるわ。
私の持っている
この店以外の財産は 全部→
あんたに譲ります。
そのかわり 店の経営には一切 関わらんと→
一札 入れてちょうだい。
♪♪~
≪ご無礼します。
♪♪~
これを
それと一緒に 預かっておいて。
♪♪~
(仙吉)分かりました。
♪♪~