2020/12/09(水) 00:30〜01:20 NHKスペシャル パンデミック 激動の世界5▽コロナ禍 米中 新たな“冷戦”[字][再]


セルビアと 経済協力の合意を取り交わしたのです。
その合意文書です。

アメリカが セルビアの高速道路や鉄道の整備といったインフラ事業を→
支援するという内容でした。
これまで 中国は一帯一路構想のもと→
セルビアがある
バルカン半島を縦断する→
輸送路を中心に
開発してきました。
一方のアメリカは
セルビアから→
アドリア海につなぐ
ルートを計画。
中国に対抗するねらいが
あるとされています。
アメリカが セルビアへの関与を
深めようとする もう一つのねらい。
それが 合意文書の中にありました。
今後の世界を左右する高速通信技術5Gについてでした。
ヨーロッパの中でも セルビアは


5G技術でリードする→
中国の通信機器大手
ファーウェイとの結び付きが強い国です。
(拍手)
9月には ファーウェイの新たな開発センターが完成しました。
アメリカの大きな懸念は→
ファーウェイが 世界に展開する5G技術を通じて→
各国の企業情報や軍事機密などが→
中国に流出することです。
ファーウェイは こうした指摘を
事実無根だと否定しています。
しかし 中国が軍事力を強める中
アメリカは 根強い不信感を抱いています。
ハイ! ハロー。
ナイス トゥ シー ユー アゲイン。
米中関係を 長年分析してきた
国際政治学者のイアン・ブレマー氏です。
テクノロジーを巡る対立こそが→
かつての東西冷戦とは違う新たな冷戦をもたらすと警告します。
テクノロジーを巡る 新たな冷戦。
その根深い対立は 既に世界に 深刻な影響を与え始めています。
米中双方のハイテク企業に
半導体などを輸出している→
グローバル企業 三菱電機です。
家電から宇宙関連まで幅広い事業を展開。
海外売り上げのうち アメリカと中国が→
いずれも 20%を占めています。
10月 三菱電機は→
経済安全保障統括室という新しい部署を立ち上げました。
[外:E806D1481CFA721DA5F60413531F39BD]

はい 経済安全保障でございます。
ハイテク技術を巡る アメリカと中国の
激しい規制の応酬に対応するためです。
8月 アメリカは ファーウェイなど
中国のハイテク企業の製品を使用する→
国内外の企業と
政府機関との取り引きを禁止。
翌月には アメリカの技術が使われている
半導体製品を→
ファーウェイに供給することも
禁止しました。
これに対し中国も 今月から→
国の安全を脅かすと判断した外国企業との取り引きを→
規制する法律を施行。
違反した企業は厳しく処罰されるおそれがあります。
米中の激しい規制の応酬で 三菱電機は→
ファーウェイに供給してきた半導体を出荷できなくなりました。
こうした中で新設された
経済安全保障統括室。
アメリカや中国との取り引きに
リスクが潜んでいないか→
グループ企業全体を
日々 監視しています。
米中対立に翻弄される
グローバル企業。
三菱電機の担当者は 経団連を訪れ→
日本の経済界全体で取り組むべき深刻な課題だと訴えました。
本日は よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
経済安全保障を担当する

日下部 聡常務は→
米中対立を前提として→
ビジネスを構築していかなければならないといいます。
米中の激しい対立によって加速する分断。
世界は 厳しい現実に直面しています。
アメリカと中国 ぞれぞれの現在地。
その起点は今から半世紀近く前に遡ります。
1972年 ニクソン大統領は
中国との国交正常化交渉に着手。
それが 関与政策と呼ばれる
アメリカの対中政策の始まりでした。
以来 アメリカは
中国の経済発展を後押しすることで→
民主化を促すことを
外交の基本方針としてきました。
東西冷戦を終結させ
唯一の超大国となったアメリカは→
中国も民主化に導くことができると
自信を深めていきました。
一方 中国は→