♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(杏子)脈も しっかりしとる。もう大丈夫!
よかったね お姉ちゃん!
(マサ)<空襲の危機を乗り越え死の淵を乗り越えて→
冬吾は 家族のもとに
戻ってきてくれました>
♪♪~
(桜子)みんな 聞いて!冬吾さんの意識が戻ったって。
2~3日したら
帰ってこれるって!
(八州治)よかったな おい!
しばらくは 松葉づえだけど足も治るって。
上等だよ!
松葉づえだろうが 何だろうが生きてりゃ 絵 描けるもんな。
よかったね 加寿ちゃん 亨ちゃん
お父さん 戻ってくるよ!
(磯)ほいじゃあ あんたもね
そろそろ 麹町に帰り。→
ここにおってもね
しょうがないでしょ。
(和之)何 言ってるんだよ。
ここが俺の家だよ。
だって ここに一人でおっても
しょうがないでしょう。
こういう時は
家族と一緒におらんとねえ。
お父さん お母さんも
心配されとるで。
ほら 帰んなさい!
おばさん…。
≪ごめんください!
和之 おりますか?
(鮎川)いつまでたっても
帰ってこないから→
迎えに来たんだ。
さあ うちへ帰ろう。
ここにいる方が 落ち着くんだ。
仲間もいるし。
母さんが 心配してるんだよ。
ほら 言ったとおりでしょう。はい 帰りなさい! はい ほら!
君 来てたのか?
家族が心配だもんで。
ほいじゃあね。
どしたの?やっぱり 母さんだ。
えっ!?
父さん 聞きたい事があるんだ。
(鮎川)何だ?
この人 俺の母さんだろ?→
なあ? そうだよな!?
俺 どうも そんな気がしてしょうがないんだ。
この人が
俺の母さんなんじゃないかって。
(鮎川)
何をバカな事を言ってるんだ。
本当の事を 教えてくれよ!
明日はどうなってるか 分からないんだ。
この夏には
俺も徴兵検査を受けて→
秋には
軍隊に入らなきゃならない!→
だから 何があっても
後悔のないように→
今のうちに 本当の事を
知っておきたいんだよ!
どうなんだ? 父さん!
違うわよ!
私は
あんたの母親なんかじゃないわよ。
それに もしも… もしもよ。
この世のどっかに あんたを産んだ人が おったとしても→
本当の母親は 生みの親じゃなくて
育ててくれた人だらあ?
今も あんたの事を 家で待っとる
育ての母親じゃないの?
産んで あんたを
すぐに手放すような→
薄情な親の事なんか
忘れなさいよ。
育ててくれた人に 感謝なさいよ。
♪♪~
あんたも もう19だらあ。
大人だらあ? えっ?
それぐらいの事 分かるでしょう?
ハハッ はい 帰り! 帰った 帰った!
♪♪~
ねえ 叔母さん いいの?
親子の名乗り 上げたいって
言っとったじゃん。
あのまま 和之さん
帰しちゃって いいの?
もう 会えんかもしれないんだよ!
しょうがないじゃん。
♪♪~
あの子 さっきね 私の事を→
何べんも
母さんって呼んでくれた。
「母さんじゃないか?」とか
「やっぱり母さんだ」とか。
その度に 背筋がゾクッとするほど