♪♪~
見せたいもんって何だす。
あれ…。
戻ったで。
(かめ)あっ 千代…。
(ハナ)話があるそやから 連れてきた。
何だす。
(シズ)はあ… わても忙しいのや。
(ハナ)はい。
うちは…。
うちは 読み書きが全くできません。
5つの時にお母ちゃんが死んで
それから家のこと みんなやらされて→
毎日 弟の面倒見て→
学校 行かれへんかったさけ。
それもこれも テルヲのせぇや。
あっ テルヲっちゅうのはお父ちゃんの名前です。
お母ちゃんが死んでから
酒と博打ばっかりで→
呼び捨てにしたらあかんて
よう言われたけど→
ええねん あんなやつ 呼び捨てで…。
ほんで ある時新しいお母ちゃんが来ました。
初めは うれしかったけど
その人のおなかには 赤ちゃんがおって→
うちは 邪魔やて言われました。
それで うちはここに奉公に出されたんです。
そやけど 弟だけは ちゃんと
面倒見てくれるて約束してくれました。
せやさけ うち
もう二度と戻らへんて決めました。
ちょっこと鈍臭いけど…
うち 弟のこと大好きやし。
これでええと思いました。
そやのに 夜逃げて…。
どうせ うち売ったお金で また博打して
えらい借金 こしらえたんや。
うち 何も知らんかった…。
弟が どねなったんかもお父ちゃんらが どこに行ったんかも→
何も分かれへん…。
うちは もう ほんまに一人や。
どこにも帰るとこがありません。
お願いします。ここに置いたってください。
もう ここしかあれへんのです。
うちを助けてください。
届け物も きちんと届けます。
口答えもしまへん。 せやさかい!
せやさかい…。
≪(足音)
取り込み中のところ すまんが
捜索願いの出ていた女の子のことで…。
あ~っ! おった!
この子に間違いないか?
(富士子)あの~ それやったら…。
間違いあれしまへん。
間違いのう うちの おちょやんだす。
(かめ)ほな ご寮人さん…。
ただし ちょっとでも役に立てへん思たら
すぐに追い出すさかい 覚悟しなはれや。
はい! …やのうて へえ! おおきに!
それからなあないなとこに落書きしたら あきまへん。
あ… すんません。
(シズ)紙と鉛筆あげるさかい字ぃの練習は これでしなはれ。
ほんまに?
気張ります。
ほな 字ぃは わてが教えてあげまひょ。
そんな 旦さんに教えてもらうやなんて…。(宗助)遠慮せんかて よろし。
どうせ暇やしな。
家いう字 間違うてるで。
こうや。 この一本が 千代 あんたやな。
ついに千代ちゃんは 正式に岡安のおちょやんとして認められました。
違います。
よかったなあ。 ほんまに よかったなあ。
(徳利)ほな おおきに!
(ほら貝の音)
それから数日後…。
(みつえ)よかったわ一平が お芝居続ける言うてくれて。
まあ 逃げ出すのは
誰でもできるこっちゃ。
(千之助)
誰が言うてんねんな。 ハハハハハ。
ほな わしらは これで。 おおきに。
(ハナ)行っといでやす。
ほな 行ってまいります。
(宗助)気ぃ付けてな。
天海天海一座は
次の巡業場所へ旅立っていきました。
こうして 千代ちゃんは
少しずつ大人になっていきました。
今日も ええ天気やな。
来た来た いよいよ例のやっちゃ。
いよいよ
大人になった千代ちゃんの登場や。
この布団めくったら
変わってるってやっちゃな。
(目覚まし時計の音)
ふあ~。
お前か!
あっ こっちやな。成長した主人公が自転車に乗って登場→
「朝ドラ」あるあるや。