（吉田）「死骸」 余計や。→
いらんこと言わんでええねや。
島田さんが しゃべれないでしょ。
（一の介）
あき恵 来てくれて ありがとう。
（あき恵）勘違いせんといてね。
（一の介）えっ？
あんたに文句が言いたいから来たんやから。
何が 「５年前のこと謝りたい」よ。
あんたが逮捕されたあと→
私がどれだけ苦労したと思ってんのよ。
工場も閉鎖して→
働いてくれてた従業員の再就職の世話もして→
毎日 毎日
いろんな人に 頭 下げて 回って。
私ね 借金の返済のために→
いくつも いくつもパートを掛け持ちして→
必死になって働いたのよ。
そんな 私の苦労も知らんと→
一方的に
離婚届 送りつけてくるやなんて→
あんた 何考えてんの？
あんまりにも薄情やないの。
勝手よ。 身勝手すぎるわよ！
すまんかった。 いや 俺な…。あんたの話なんか→
聞きたくないから！（辻本）待ってください。
（一の介）辻本さん。（辻本）奥さん→
大阪府警の辻本です。
（辻本）５年前私が 島田を逮捕しました。→
島田の話を聞きたくないなら→
せめて私の話を聞いてくれませんか。→
確かに こいつは
人に だまされるような→
頼りないやつです。 けど→
ほんまに優しい男なんです。→
たちの悪い 金融屋の借金も
なんとかして→
工場の従業員に
給料 払ってあげたい→
その一心で
借りたお金なんですよ。
あき恵
あなたの気持ちも分かるわよ。
でも あき恵だって
心底 島田さんのこと→
嫌いになったわけじゃないでしょ？→
意地を張らずにきちんと向き合えば→
また 元の二人に
戻れるんじゃないかしら？
あき恵
俺は 今 本気で後悔してる。
借金して 罪を犯したこと→
お前に苦労をかけたことそれに 何よりも→
お前に 離婚届を送ったこと→
死ぬほど後悔してる。
今日 お前の顔を見て
改めて思った。
お前と一緒に生きていきたいと。
もう一度 俺とやり直してくれ。
♪♪～
「やり直す」？ 何を言うてんのよ。
♪♪～
そうか あかんか。
やり直すも何も
離婚届は まだ出してないわよ。
えっ？ いや 出してない？
（あき恵）あんたから送られてきた離婚届は→
出さずに 家に置いてあるわよ。えっ じゃあ 俺たちは…。
夫婦よ。 今も まだ 夫婦よ。
これからも
ず～っと ず～っと 夫婦でしょ！
♪♪～
あき恵… うぅ… ありがとう。
ううっ…。
（あき恵）何を泣いてんのよ。
泣きたいのは
こっちの方なんやから。
あんた 約束して。
もう二度と私のことを離せへんて。うぅ… うぅ…。
私のそばに
ずっといてくれるって。
（一の介）約束する。 あき恵。
あんた。
あき恵。 うぅ…。
あんた。 うぅ…。
（吉田）よかった うん。
よかった よかった！→
島田さん おめでとうございます。
（一の介）ありがとうございます。
（辻本）島田 よかったな。
（一の介）はい。
（靖子）あき恵 よかったわね。（あき恵）うん。
うぅ… うぅ…。
（吉田）
すち子さん 泣いてんのかいな。
鼻炎なんです。
（吉田）なんや それ。→
この話 聞いて
泣いてんちゃうの？
でも 感動しましたわ。