ヒロさんと 会っとったんだね。
よかった。
はい 座った。
今ね 桜子ちゃんのピアノの演奏
名古屋まで聴きに行こうって→
誘ってたところ。
無理に来んでもいいよ。
お客さんは
アメリカの兵隊さん達ばっかりだし。
軍服着た人に会いたくないもんね。
考えとくよ。
♪♪~
ただいま。
何だ。 絵 描いとるじゃない。
自分が好きで描くのと人に せかされて描くのとでは→
違うんだ 全然。
お茶でも いれようか。
冬吾さん。
達彦さんが帰ってきたんだよ。
そうなんだ。
んだか。うん。
えがったな。
♪♪~
うん。
一緒になるのか?
そうなれたら いいなと思うけど
分からん。
達彦さんは
戦争から帰ってきたばっかで→
いろんなもん 引きずっとるから。
んだか…。
♪♪~
私ね 進駐軍のクラブでピアノ 弾くんだよ。
秋山さんのバンドに誘われて。
そりゃ えらいな。
辛抱して
音楽やってきたかいがあった。
ほうでしょう。
達彦君にも 聴かしてやりてえべ?
ほいでも
聴きに来てもらえんと思う。
なしてだ?
前に一度 達彦さんの前でジャズを弾いたんだ。
そしたら 「そんな音楽は
聴きたくない」って言われた。
陽気な音楽を聴いとると
苦しくなるんだって。
ほいでも 私 ずっと待っとるよ。
達彦さんが 本当に音楽を聴きたくなるまで。
そういう日が来るって
信じとるもん。
ほいで いつか 私の弾くピアノで→
達彦さんの心を明るくしてあげたいって思うんだ。
うん。
♪♪~
わ~ きれい!
きれいだね。
「桜ちゃん。
一世一代の晴れ舞台ですね。→
東京から 桜ちゃんのピアノに
耳を澄ましてます。→
磯叔母より」。
(笑い声)
あててみりん。
うん。
似合うじゃんね。
衣装負けしんように頑張らんとね。ほうだね ほうだ。
≪ごめんください!
は~い!
あの…。
私 銀座の鶯画廊の吉田と申します。
杉 冬吾先生は こちらですよね。
あっ いえ。
あっ トンビ。
やっぱり いらしてますね。
いらしてません!
これは うちの主人のものです。
でも どう見ても
あのトンビは 先生のでしょ?
どうぞ お帰り下さい!
お帰り下さい!
♪♪~
冬吾さん。
♪♪~
冬吾さん。もう 帰ったか?
ここにいても 足が付くな。
えっ? ちょっと 冬吾さん!?
♪♪~
(マサ)<そして 3学期 最後の日。→
桜子は 学校に
辞表を提出しました>
短い間でしたが
お世話になりました。
(飯島)こちらこそ。
今日が 最後の授業ですね。
はい。
はい。 今学期の授業はこれで おしまいです。
皆さん 春休みが明けたら
5年生ですね。
元気な5年生になれるように