2020/12/23(水) 00:30〜01:20 NHKスペシャル パンデミック 激動の世界(6)「“科学立国” 再生への道」[字][再]


発表しました。
国が10兆円の基金を創設。
これを運用して得られる利益を財源に→
若手研究者の支援や
待遇改善などを行う考えだといいます。
日本の科学者の現状
そして これからの科学政策を→
政府は どのように考えているのか。

担当大臣に問いました。
どうすれば日本は
科学立国として再生できるのか。
手がかりを与えてくれる
ユニークな大学の取り組みが→
今 沖縄で成果をあげています。
2011年に創設された沖縄科学技術大学院大学。
通称 OISTです。
普通の大学とは異なり→
大学院の博士課程にあたる
5年制の大学です。
その実績が 去年 世界的な科学雑誌で


高い評価を得ました。
掲載された「質の高い科学論文を
出している研究機関」の世界ランキング。
日本の大学を探すと
東京大学は 40位でした。
それより上位を見ると
海外の研究機関ばかり。
しかし 第9位に
OISTの名前がありました。
世界トップクラスの研究機関と
肩を並べたのです。
OISTには 医学 工学 物理学 数学など
さまざまな分野の若手研究者が→
日本だけでなく
世界60の国や地域から集まっています。
実は OISTの設立に関わり
理事も務めていたのが→
元文部大臣の有馬さんです。
九州・沖縄サミットが開催された20年前。
内閣府の沖縄振興予算を使って
新しい大学をつくる計画が→
有馬さんに持ちかけられました。
従来の枠組みとは異なる資金を得たことで→
有馬さんは これまで実現できなかった
理想の研究環境を 形にしたのです。
OISTの大きな特徴は
海外の一流研究機関を参考に→
独自の体制で
研究を支援していることです。
まずは…

ウイルスと闘う免疫細胞の働きを研究する石川裕規さんです。
8年前 東北大学から OISTに来ると
准教授となり→
7年間にわたる
研究資金を保証されました。
あの~ 少し 驚きましたね。
長期間の予算を与える上で何より重要なのが→
常に進捗状況をチェックする仕組みです。
その大事なチェック機能を担っているのがプロボストと呼ばれる役職です。
プロボストは
いわば 大学全体の 研究の司令塔。
各研究者に
どんな金額と期限で予算を与えるかは→
全て プロボストが判断します。
プロボストを務めるメアリー・コリンズさんは→
元は 生物学の研究者でした。
これまで 欧米の研究機関で数々のプロジェクトを束ね→
成功させてきました。
その経験を生かし OISTでは→
若手研究者たちの
研究の価値や可能性を見極める仕事に→
専念しているのです。
そして もう一つOISTが力を入れているのが…
異なる分野の研究者が
共に議論し 革新的な研究に挑める→
環境を整えています。
新型コロナ関連でも 連携ならではの成果が生まれつつあります。
金属板に血液を流し込み
光を当てることで→
新型コロナの抗体の量を

計測できるといいます。
免疫の研究者→
生物工学の研究者→
そして 血液を流し込む仕組みは
流体力学の研究者と→
異分野の連携でスピード開発。
実用化に向けて 動き始めています。
日本の科学の在り方を問い直し→
世界に貢献する科学立国を目指してきた有馬さん。
12月に世を去る間際
未来への希望を語っていました。
パンデミックに立ち向かう科学者たち。
日本独自の新型コロナのワクチンを開発する→
大阪大学の中神さんたちは→
今 新たな挑戦を始めています。
ワクチンの効果をより高める
新しい技術を開発しようというのです。
針を使わず ワクチンを
皮膚の内側にうち込むという新方式です。
安全で効果の高いワクチンの開発は