♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(杏子)ごゆっくり。
お父ちゃんの仕事場
行ってようね さっちゃん。
(達彦)あのな。
(桜子)うん。
考えてみれば こうやって
ゆっくり 向かい合って話す間→
なかったよな? 今まで。
ほだね。 ほうかもしれんね。
今更だけど 本当に ありがとう。
おふくろの事。
私にとっても
大事なお母さんだった。
この年になって お母さんって
呼べる人が できた事→
うれしかった。
ありがとう。
6年っていえば
大変な歳月だもんな。
それまで ずっと 音信不通で
一度は 遺書まで届いたんだ。
気持ちが ぐらついたり→
変わったりしても不思議じゃないのに…。
お前は ずっと 俺の事を思って
耐えてきてくれたんだな。
♪♪~
有森… 俺…。ちょっと待って。
♪♪~
達彦さん。見せたいものがあるの。
ちょっと 来てもらえる?
♪♪~
これ書いたの 覚えとる?
♪♪~
覚えとるよ。 激戦で負傷して
死を覚悟した時に 書いたもんだ。
「君が音楽を忘れない限り
僕は 君の中に生き続ける。→
そう信じている」。
♪♪~
私 何度も読み返した。
音楽を忘れないようにしようと思って頑張った。
出征する時にも
達彦さん 言っとったもんね。
「音楽を忘れるな」って。
ああ。
♪♪~
秋山さんに教わって編曲の勉強もした。
作曲もしてみた。
少ししかないけど 一つ一つが思い出の染み込んだ曲なんだ。
♪♪~
達彦さん。
私 達彦さんの前では
正直でおりたい。
うん。
その曲はね…。
≪(笛子)桜子!
桜子 おる?→
桜子? 早く 出てきなさい!
笛姉ちゃんだ。
(浩樹)お姉さん お久しぶりです。
どうしたの? お姉ちゃん。
お姉ちゃん。
冬吾を出しなさい。
えっ?
あんたが かくまっとるだら?分かっとるよ!→
画商の吉田さんから 連絡もらって
飛んできたんだ。
冬吾がいなくなったら
困るのは 分かっとるだら?
何で ひと言 連絡よこさんの?
冬吾さんに 口止めされたで。口止め?
まあ お姉ちゃん
とりあえず 座ってよ。
≪(冬吾)ただいま~。
♪♪~
冬吾。
冬吾!
♪♪~
ごめんね。 待っとって。
≪(杏子)まあ お茶でも どうぞ。
≪(浩樹)俺は 幸の様子見に行ってくるわ。
(杏子)ほうして下さい。
何で 逃げたんですか?
何で よりによって
ここに隠れとるんですか!
んだから お前は すぐに
そうやって ケンカ腰になるから→
しゃべろうとしたって
しゃべれねえべ。
私が悪いっていうんですか?
逃げたのは 俺が悪い。
んだども 笛子。 もう少し
俺の身になって 考えてけれじゃ。
私は いつだって
考えとるじゃないですか。
あなたの事や
あなたの絵の事を!
嘘こけ! 俺の絵の事を