♪♪~
(マサ)<昭和21年4月。
桜の咲き誇る季節。→
桜子と達彦の結婚式が
「山長」で 執り行われました>
♪♪~
(野木山)皆さん杯は お持ちでしょうか?→
タネさん 利雄さんはじめ
親戚方々も ご列席ですが→
せん越ながら 私 野木山与一が
「山長」従業員を代表しまして→
乾杯の音頭を とらせて頂きます。
それでは!
≪ちょっと待った!
(桜子)キヨシ君…。
(キヨシ)桜ちゃん!→
俺と結婚してくれ!
えっ?
♪♪~
ハハハハ! 冗談だ 冗談!
(徳治郎)たわけ!乾杯の途中だぞ! 引っ込んでろ!
♪♪~
(野木山)ほいでは 乾杯の音頭に移らさせて頂きます。→
では! 皆さん 乾杯~!
(磯)ちょいと待ち!
ちょいと待って! はあ…。
叔母さん…。
ごめんね 桜ちゃん。→
汽車が 1時間も遅れたもんで→
駅から 叔母さんね
走ってきたのよ~。→
あ~ 間に合って よかった~!
桜ちゃん おめでとう!
ありがとう。
達彦さん 達彦さん…桜ちゃんの事 くれぐれも…。
(笛子 杏子)叔母さん!
えっ?磯!
(野木山)コホン 皆さん
おそろいでしょうか? ほいでは!
≪待ってくれ~!
秋山さん…。
(秋山)
最後に ひと言だけ 言わせてくれ。
桜ちゃん。 俺と一緒に
東京で ジャズ やらないか?→
俺は あんたのピアノに
ほれ込んでるんだ。
週に一度… 月に一度
東京に出てきて ステージに立つって→
そういう方法だって
あると思うんだ。
ありがとうございます。
そんなに言って下さって。
ほいでも 私…
今は 達彦さんのそばで→
達彦さんと一緒にやっていく事を
一番に考えたい。 許して下さい。
♪♪~
(秋山)それが答えか?それが答えです。
だけど 音楽だけは 忘れるな!
忘れません。
忘れるも何も
音楽は 私の中に あるで。
何があっても
忘れたりなんか しません。
(野木山)あの~
よろしいですかね?
秋山さんも どうぞ。
♪♪~
(野木山)では 乾杯の音頭に
移らさせて頂きます。
乾杯~!
(一同)乾杯~!
(耕助 治)よっ ご両人!
(拍手)
♪♪~
(一同)アラ エッサッサ~!
<この日の祝宴は 無礼講となって
大いに盛り上がりました>
(一同)アラ エッサッサ~!
♪♪~(徳治郎の歌声)
叔母さん。
あ~ フフフ! 見つかっちゃった。黙って帰ろうと思っとったのに。
駄目じゃん。
主役は 自分の席に おらんと。
もう帰るの?
うん。
鮎川の面倒見んといかんからね。
そう…。
桜ちゃん。 実はね…。
叔母さんも 結婚するんだわ。本当に!? おめでとう!
フフフ! まあ 半分はね→
みとるために結婚するようなもんだけどねえ。
空襲から こっち
あの人 寝たきりで→
よう 起きれん体なもんでね。
ほいでも… 好きなんでしょう?
うん…。
正直 言っちゃおうかな…。
幸せだわ! 叔母さんね