2020/12/26(土) 13:05〜13:50 麒麟(きりん)がくる(37)「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」[解][字][デ][再]


菊丸でございます!
(東庵)ああ 菊丸… そうであった。

久しいのう。
あの… お駒さんは?
あいにく 駒は 今 留守をしておってな。
≪(なか)先生 何してるの?
(東庵)ああ はい はい。→
話は後じゃ。 ゆっくりしていくがよい。
はい。
(なか)お前様 だいぶ長旅のご様子じゃが
どちらから?
遠江の方から参りました。
まあ 遠江。
徳川様は どうされておるかの?
去年 三方ヶ原では大負けされたそうじゃが…。
負けはしましたが 徳川様はご健在です。
あのまま京へ攻め上がってくるかと思うたが→
どうした 武田は?
あ… なか様 じっとして じっと!
(なか)はい。


そなたとは もう会えぬと思うていた。
ここは さみしい所じゃ。
(駒)これをお返しに参りました。
(ため息)
これを見よ。
わしが書いた書状じゃ。
これが上杉 これが武田 朝倉 浅井。
そして 今 書いておるのが
毛利宛てのもの。
備えが整えば わしは いま一度立つ。
そして 信長を討つ!
このまま戦を続けて
勝てるとお思いですか?
この書状に
返事が来るかどうかは分からぬ。
だが わしは書き続ける 将軍である限り。
(駒)では→
将軍をお辞め下さい。
初めてお会いした時公方様は お坊様でいらした。
大和の貧しい人たちに
施しをしていらした。→
毎日毎日 同じ時刻に。→
でも 自分のできることは限られている仏とは程遠い→
そう おっしゃって…。→
そのようなお方が将軍になられると聞いて→
これからは きっと よい世の中になる
そう思いました。 なのに…→
戦 戦 戦…。
(義昭)辞められるものであれば…そう思うたこともある。
将軍として わしにできることは何か

ずっと考えてきた。
にらみ合う大名たちに和議を勧めた。
しかし 戦はやまぬ。
幕府の旗の下 武家が一つにまとまるよう
働きかけた。
しかし 戦はやまぬ!
これ以上 わしに何ができるのか…答えは出ぬ。
だが 今 わしは こうして 大名たちに宛て
戦のための書状を書いておる。
戦を終わらせるには 戦をするしかない。
そう思うて これを書いておる。
わしは駒を
欺いてしもうたのかもしれぬな。
(織田信長)貞正
安永 延祿…。
うむ…。
≪(近習)明智様 お見えでございます。
入れ。
その後 山城の方はどうじゃ?
愛宕郡の一乗寺山城は
我らの説得に応じ→
開城いたしましたゆえ
仰せのとおり 破却。
そうか。
改元を言上した。
は…。
本来 改元の申し出は→
将軍が行うべきもの。
なれど 今や将軍はおらぬ。
わしが その役目を負わずばなるまい

違うか?
仰せのとおり。
そうしたら 見よ。早速 朝廷から 5つの案を出してきた。
う~ん…。
やはり これだな。
「天が正しい」…。
天正。
どうだ?
よし 決まりだ!
時に。
何だ。
公方様を
どうなされるおつもりでございますか?
将軍?
家来を何人かつけてどこへでも追い払えばよい。
藤吉郎に任せてある。
武田のこと 聞いておるか?三河に攻め入ったあと→
急に兵を返したというが…。
信玄め 何があった…?
東への心配がなくなれば