すぐ寝てくれてな。
あんた ほんまに かぐや姫かと思たわ。
明日も きっと晴れやなあ。
ご褒美や。 お月さんみたいやろ。
うちは かわいそやない。
明日も きっと 晴れやな。
鶏を売りに行ったお父ちゃんが帰ってきたんは 10日もたってから。
あほんだらあ! われ どこまで
鶏売りに行っとったんじゃ ボケ!
(栗子)こんにちは。
誰?
この人が 今日から お前のお母ちゃんや。
はあ~っ!?
はあ~っ!?
前のお母ちゃんのことはすっぱり忘れて→
これからは あの人のことを
お母ちゃんって呼ぶんやで。
そら あんまりやわ。
千代ちゃん ガツンと言うたり!
文句あんのか?
これからは→
あの人に家のことやってもらえんねんな。
そら なんちゅうても お母ちゃんやさけ。
よっしゃあ~! 学校行けんねや!
何や うれしいんかい!
学校や! 学校や 学校や!
念願かなって学校に通い始めた千代ちゃん。
今日の弁当 何?
はっ? おはぎやで。
それ貰た。
何言うとんねん。
そやさけ 自分と うち
弁当賭けて かけっこ勝負や。
<こねなやつに負けるかいな>
(玉井)ひいの ふうの みい!
待って… 待って待って待って!
いやいや 遅いがな!
勝った~!
おまけに 弁当なんぞ持ってきてへん。
おんどりゃあ! だましくさったな!
やんのけ コラ!
すっかり仲ようなったみたいですね。
どこがや。
(泣き声)
(玉井)おお… どないしました?
先生… 小林がな
おはぎ分けてくれようとしたんやけど→
うちが つい 意地張って→
いらんって言うてもうて…。あん?
ほんまは うれしかったんや。
堪忍な 小林君。 おはぎ おおけに。
お前…。
(玉井)偉いぞ 小林君!
みんなも 小林君を見習うように。
さあ 竹井さん 遠慮のう食べなさい。
さすが 生まれ持っての口達者。
うまいこと言うて ヨシヲの分のおはぎももらって帰った千代ちゃんですが…。
ヨシヲ! ええもん貰てきた…。
何や これ…。あっ やっと戻ってきたがな。
何かお金になりそなもん
あれぃんかな思て探したんやけど→
ほんま ろくなもんあれぃんなあ。
おなか減ったわ。 晩ごはん早めに頼むな。
えっ… ほれやったら
お母ちゃんは何すんね?
何も。
何も?
そねな約束やねんもん。
テルヲさんに聞いてみいな。
あの あほんだら。
話がちゃうやん。
何や嫌な予感するわ。
(テルヲ)栗ちゃんな 昔から体弱いねん。
無理さしとったら かわいそやんけ。
ほな 何か?
これからは あの人の分も ごはん作って
洗濯しやなあかんの?
若いうちの苦労は
買うてでもせえっちゅうねん。
若すぎるやろ。 うち まだ小学生やど。
お母ちゃんがヨシヲの面倒見てくれるさけおまん 学校行けたんやろが。→
感謝しやな あかんど。
お父ちゃんとは話になれへんで。
それより
ヨシヲに おはぎ食べさしたらな。
おはぎ おはぎ おはぎ…。
あれ…。
ここに置いといた おはぎ知らん…。
まさか…。
おんどれ おはぎ食いやがったなあ~!
おはぎ~!(泣き声)
この家のもんは みんなのもんや。
あんただけのもんとちゃう!
あんたなんか お母ちゃんとちゃう!
あの子ら追い出すか うちと別れるか。
奉公に出したら どね?
食べんのに困ることもあれぃんし。
それこそ ここにおるより
なんぼか幸せなんとちゃうけ?
≪(テルヲ)ほやなあ…。