去年 5年ぶりに→
セ・リーグの王座を奪還した
読売ジャイアンツ。
優勝祝賀会の映像である。
ファンの皆様 大きな力を与えて頂き…。
その中で 最も注目を集めたのは→
読売新聞グループのトップ渡辺恒雄の弁舌だった。
よろしくお願いいたします。
(拍手)
やあ どうも。
お願いします。
よろしくお願いいたします。
どっち?こちらの方に…。
1950年 昭和25年に記者になって以来→
70年にわたって戦後政治を見続けてきた渡辺。
今回 初めて 映像メディアの
ロングインタビューに応じた。
次々に明かされる…
その語り口は94歳の今も健在だ。
吉田 茂の総理番を振り出しに→
時の権力者と 常に密接な関係にあり→
保守の論客としても 戦後日本に
大きな影響を与え続けてきた渡辺。
強烈な個性ゆえか その行動や発言は
物議を醸すこともあった。
その渡辺が
インタビューで繰り返し語ったのは→
自らの戦争体験→
そして 戦争と戦後政治との関わりだった。
戦前 破滅へと突き進んだ日本は→
戦後をどのようにして作り上げていったのか。
終戦直後から 現在に至るまで
日本政治の表も裏も知る→
最後の人物 渡辺恒雄。
独占告白を通じて戦後日本の自画像を探る。
♪♪~
東京・大手町に本社を置く読売新聞グループ。
かすかに緊張を覚えながら
そのトップの部屋を訪ねました。
お邪魔いたします。
ああ。
30年近くにわたり グループを率いてきた
渡辺恒雄さんです。
改めまして よろしくお願いいたします。
ああ どうも どうも。
94歳の今もなお
記者たちの頂点に立つ 主筆の座にあり→
社論や経営方針を
自ら指示しています。
よいしょ。
渡辺さん自ら部屋を案内してくれました。
そこには 波乱の人生を象徴する
数々の品が置かれていました。
見えます 見えます。
これ 暴漢が来た時のものですか?
渡辺さんは 世界最大の発行部数を誇る
新聞社トップの影響力を背景に→
歴代政権にも深く関与してきました。
こちらは 安倍さんですね。
終戦直後から 政治の中枢の間近で
その舞台裏を目撃し続けているのは→
今 渡辺さんのほかには 一人もいません。
戦後75年を迎えた 今だからこそ→
渡辺恒雄が知る 日本の戦後の歩みを
再確認すべきと思いました。
インタビュー初日。
席に座った直後渡辺恒雄が おもむろに取り出したのは→
古びた岩波文庫だった。
戦時中 軍隊に召集された際にひそかに持ち込んだ本だという。
冒頭 渡辺が熱を込めて語り始めたのが→
自らの人生を決定づけた戦争体験だった。
1926年 大正15年に
東京で生まれた渡辺。
(砲撃音)
満州事変が勃発し日本が国際連盟を脱退するなど→
戦争の足音が近づく時代に
幼少期を過ごした。
(爆発音)
11歳の時には日中戦争が始まった。
国民の多くが
日本軍の攻勢に熱狂する中で→
少年 渡辺は
軍国主義に対する反発を強めていった。
♪♪~
およそ10万の学生が学徒出陣したとされる 日本の戦争。
渡辺も 召集を免れることはできないと→
諦念を抱えていたという。
そんな渡辺が
生きる意味を求めたのが 哲学だった。
当時 読みふけった哲学書は
今も傍らに置いている。
ドイツの哲学者 カントの「実践理性批判」。
その一節を胸に→
死が間際に迫る戦争の不条理と
対峙しようとしていたという。
戦争末期の1945年4月→
渡辺は東京帝国大学 文学部哲学科に入学した。
しかし 僅か2か月後 召集令状が届く。
学徒出陣だった。
これが あれだよ。