ライバルが かみついた。
立ち去っていくボス。
ライバルが 縄張りとメスを手に入れた。
いつまた次の挑戦者が現れるか
オスの戦いは続く。
ここは ニュージーランド。
毎年 春 この沖合に集まってくる生き物がいます。
オキゴンドウ。
6mになるクジラの仲間です。
最近 このオキゴンドウが
食べ物が限られた外洋で→
ほかの生き物と手を組んで
獲物を探すことが分かってきました。
その相手は ハンドウイルカ。
しきりに音を出して→
仲間同士
コミュニケーションをとっています。
数百頭にもなる群れです。
数十km離れた場所にいるオキゴンドウが気付きました。
一斉に動き出します。
♪♪~
あっという間に
ハンドウイルカに追いつきます。
♪♪~
すると 不思議なことが起こりました。
ハンドウイルカが向きを変え
オキゴンドウに近づいていきます。
♪♪~
オキゴンドウが鳴き始めます。
まるで コミュニケーションを
とろうとしているかのようです。
こうした映像が撮影されたのは
初めてです。
♪♪~
研究者によると この謎の大集結は毎年見られるといいます。
1,000頭を超える群れで探せば
獲物を見つけやすくなります。
オキゴンドウとハンドウイルカは
協力関係を築き→
途方もなく広い外洋を
生き抜いているのです。
♪♪~
地球の海を巡る旅→
最後は極寒の極地だ。
冬の間 氷に閉ざされる北極圏。
ところが
奇跡的に海面が凍らない場所がある。
ノルウェー北部 フィヨルドの海。
世界最大の海流 メキシコ湾流が赤道から暖かい海水を運ぶため→
真冬でも凍らない。
この限られた海域を目指して 毎年 冬→
数億匹のニシンが集まってくる。
それを目当てにやって来るのが…。
シャチだ。 その数 1,000頭。
ここは 地球上で最大級のシャチの集結地だ。
ここに来るシャチは
フィヨルドの地形を利用した→
見事な狩りを行う。
シャチがニシンを追い始めた。
仲間同士が交信し→
巧みなチームプレーで浅瀬へと追い込んでいく。
ニシンは 巨大な大群となり対抗する。
シャチは下から海面へと追い詰め群れを一塊にしていく。
逃げ場を失ったニシン。
シャチは驚くべき技を繰り出す。
尾びれをひと振り。
波の衝撃で ニシンを気絶させるのだ。
♪♪~
ここに集まるシャチだけが見せる狩りの技。
♪♪~
シャチたちの饗宴は更なる大物を呼び寄せる。
ザトウクジラだ。
浅瀬に追い詰めたニシンを丸飲みにする。
黒い塊となったニシンの群れ。
そこに クジラが突っ込んでいく。
♪♪~
シャチも食べ続ける。
♪♪~
冬の間 たっぷりと脂肪を蓄え→
クジラは 春になると
大海原へと旅立っていく。
北極の豊穣の海が
命を支えているのだ。
♪♪~
この極地の海は今 大きな問題に直面しています。
ここ数百年の間 安定していた海の環境が
激変しているのです。
温暖化による海水温の上昇です。
♪♪~
その影響で
北極海の氷が消え始めています。
この30年で 夏の間の氷の面積は
40%も減ってしまいました。
そして それは 極北の野生動物たちに
大きなダメージを与えています。
♪♪~
中でも セイウチは深刻です。
春 出産した子どもは まだ幼く
休ませる必要があります。
その時に 欠かせないのが 海に浮かぶ氷。