現在 世界を悩ませている問題に→
150年前から
警鐘を鳴らしていた名著があります。
カール・マルクスによる 「資本論」です。
描かれているのは 今も変わらない資本主義に翻弄される人間の姿。
私たちが生きる 資本主義のメカニズム
そして その落とし穴について→
マルクスからのメッセージを
読み解きます。
♪♪~
(テーマ音楽)
♪♪~
「100分de名著」 司会の安部みちこです。伊集院 光です。
年も明けましたが 今年も世界には
いろんな問題がありますね。
ほんとですねぇ。
あんまり明るい顔にならないような→
想像しか出ないんですけど
まあまあ 頑張っていきましょう。
そうですよね。 さあ そんな
2021年 最初の名著は こちらです。
カール・マルクスの「資本論」。
教科書でおなじみの経済学の名著なんですが→
私たちの身近な問題にも ヒントをくれる
本として 読めるそうですよ。
何か 僕の中では
難しそうな本の代表みたいな。
だから 「教科書でも おなじみの」って
言いますけど→
マルクスと「資本論」を
線で結んだところで 僕は終わりです。
そこまで ですよね。
はい。 内容は全然分かんないです。
では 教えて下さる先生
ご紹介しましょう。
経済思想家の斎藤幸平さんです。
よろしくお願いします。
お願いします!
よろしくお願いします。
マルクス研究における 世界最高峰の賞
「ドイッチャー記念賞」を→
日本人初 そして 史上最年少で受賞。
これまでにないマルクス像を打ち出した斎藤さんが→
2021年に
マルクスを読み解く意味を伝えます。
今 読む意味というのは
何なんでしょうか。
はい。 だから結局 この30年間
いわゆるグローバル化で→
資本主義が やっぱり 一番いい
システムなんじゃないかといって→
やってきたわけですよ いろいろ。
実際 じゃあ それで本当に 今の私たちの経済とか暮らしが いいかっていうと→
そんなこと ないんですよね。
若者たちが 安定した仕事もないし→
これからの気候危機が
どんどん深まっていく。
もう これ資本主義じゃない 別の世界を→
もっともっと作った方がいいんじゃないかっていうので→
若者たちが 今 社会主義に
実は 特にアメリカなんかを中心に→
支持するようになっているんですね。
今 聞いただけでも興味深いのは→
昔 その やつらが来ることが
危機だって思ってた時の→
ポジショニングというよりも→
自分たちの この生活を問い直してみようっていう意味での→
社会主義の勉強とか
研究っていうことなんですかね。
そうですね。 だから 今までどおりの
経済成長 どんどんして→
みんなで 豊かになっていこうっていう
やり方だと→
一部の企業とかは
どんどんどんどん 儲けていくけれども→
日本だって やっぱり非正規の人とか
すごい増えちゃってるわけですよね。
あるいは ブラック企業の問題とか。
だったら もっと この技術とか→
これだけ いっぱい
社会に存在している富を→
もっと うまく使えば みんながハッピーで
自由で 平等な社会って→
作れるんじゃないかっていうのが
実は 若者たちが今 感じてることで。
でも なかなか僕らって→
今 資本主義社会以外の社会って想像できないと思うんですよ。
はい。
できないですね。
それを 少しでも想像できるような
力を与えてくれるのが→
今日 取り上げる カール・マルクスの
「資本論」なんじゃないかなと。
じゃあ 基本情報から見ていきましょう。
テーマを見ると…
これ かみ砕くと
斎藤さん どういうことでしょうか。
もう 一見して分かるように
150年以上前の本なので→
ちょっと古くさい本で