♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(達彦)桜子。
(達彦)まあ食べんのかん?
(桜子)うん…。
(野木山)大将。
女将さんに お客さんです。
お姉ちゃん 叔母さん。 わざわざ
東京から来てくれたのかん。
(磯)大丈夫かん? 桜ちゃん…。
桜ちゃん 大丈夫かん?
聞いとるよ 達彦さんから。
赤ちゃんの事。
きついねえ…。
(笛子)ほいでも自分のためだもんね。
赤ちゃんを無理して産んで→
今より もっと病気が重くなったら大変だわ。→
あんたは まだ若いんだ。
これっきりじゃないだからね。
自分の体のためだもんね。
しかたんないよね…。
(笛子)私は やっぱり
達彦さんの判断が正しいと思うわ。
桜子の命が 何より大事だらあ。
(杏子)ほいだけど今日の桜ちゃん 見とったら→
子どもを諦めたら
それを後悔して 自分を責めて→
病気が 余計 重くなりゃあへんか
心配だわ。
(磯)子どもができたら どうしても
産みたいって思うのが→
女だもんね…。→
私も 和之ができた時随分 周りから反対されたけど→
産んだら 「ああ よかった。
この子のためだったら→
今すぐにでも死ねる」って
思ったもんだわ。
理屈じゃないの。
女って生き物は 子どもを産んでうれしいんだわ。→
それが 好きな人の子どもだったら
なおさらだわね…。
桜子。
どうしても 子どもが産みたいか?
産んでもいいの?
達彦さんが いいちいうなら私は 産みたい。
達彦さんと私の
この命を守りたいって気持ちが→
どうしても捨てきれんの。
分かった。明日 先生と話し合おう。
産めるか産めないか
もう一遍 先生と話すんだ。
ありがとう 達彦さん。
(小林)前にも お話ししたでしょう。
体力の消耗を伴う 妊娠や出産は→
結核の病状を悪くする危険があるでねえ。
あんまり勧められんのですよ。
先生。 一つ お伺いしてもいいですか?はい?
私は 治るんですか?
子どもを諦めて じっとしとったら私は 治るんですか?
それは どっちとも言えんが…。
だったら 私は子どもを産みたいです。
死ぬ覚悟でっちゅう事かね?
いえ。 私は 死にません。
私 どんな事をしても→
子どものために生きたいと思います。
御飯も うんと食べて
栄養をとるように 心掛けます。
安静にして とにかく頑張ります。
う~ん…。
ねえ 達彦さん。
私 昨日 達彦さんが→
もう一遍 先生と
話し合おうって言ってくれた時→
目の前が パ~ッと明るくなって
元気になったんだよ。
おなかの赤ちゃんが
私を元気にしてくれとるんだよ。
ほうだね…。 まあ 決めるのは
ご本人と 旦那さんだからね。→
ただし 産む気なら
ちゃんと 病院に入院して→
経過を見守らんと。
入院します。 赤ちゃんのためなら。
(達彦)療養に専念するためと
病状が 急に悪化した時のために→
入院する事にしたよ。
ほうですか…。
俺も付き添う事にした。
無事 子どもが産まれるまでは→
仙吉さん達に
引き続き 迷惑をかけるが…。
(仙吉)ほんな事は 構わんです!
女将さんの体の事を第一に考えとくれん。
ほだ ほだ。 ほうしとくれ。
ありがとう。
行ってらっしゃい。
(マサ)<こうして 桜子は全力で療養に努めるべく→
病院に入院しました>
達彦さん ここで寝るの?そうだよ。
何だか 気がとがめるな。