♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(杏子)きいっちゃん! ほら!
(一同)きいっちゃ~ん。
(ぐずる声)(磯)あれ? アハハハ!
(勇太郎)よし!
勇ちゃんちゃんと 撮れたかん?
うん。 うまくいった。 あとは
映写機 借りてきて映すだけだ。
(笛子)疲れた!
あっ! あ…。
お姉ちゃん?
もしかして おめでた?
(磯)えっ? また できた?
また できたかん!?
あら! あららら!
(冬吾)笛子。そうなんだよ 冬吾。
よりによって こんな時に。
できる時は できちゃうんだね。
何を言っとるだん。
おめでたいじゃんね。
まるで 桜ちゃんが
授けてくれたみてえだな。
♪♪~
今日は 冬吾の絵を持ってきたよ。
♪♪~
(桜子)ありがとう。
ねえ 知っとる?
私 ず~っと昔からあんたに やきもち やいとった。
私 あんたの事が
羨ましかったんだわ。
自分に 嘘をつかず→
欲しいもの やりたい事にいつも まっすぐに向かっていく→
あんたの事が
羨ましかったんだわ。
ほいでも 私は いつの間にか
あんたに助けられとった。
冬吾と一緒になる時も→
ピアノを売ってまで私を支えようとしてくれた。
この前 冬吾が
死にそうになった時だって そう。
私… 何だか あの人は→
あんたが生かしてくれたような気がしてならんのだわ。
ほいだから 桜子…。
あんたが おらんようになったらお姉ちゃん 困るよ。
♪♪~
どうしたらいいか 分からんよ。
♪♪~
大丈夫だよ。
笛姉ちゃんには
冬吾さんが おるじゃない。
加寿ちゃんと 亨ちゃんと…。
それから もう一人の赤ちゃんも。
桜子…。
おめでとう。
桜子。
♪♪~
ねえ 達彦さん。
(達彦)ん?
笛姉ちゃんに聞いたけど→
きいっちゃん達彦さんの顔 見ると→
えらく いい顔で笑うんだって?
そうだよ。やっぱり 父親は 分かるんだな。
何よ。 得意そうな顔しちゃって。
それに 俺が 子守歌 歌ってやるとすぐ寝るんだぞ。
私にも 聴かせて。
嫌だよ。何で?
輝一には
歌ってあげたんでしょう?
ねっ!
分かったよ。
♪♪「ねむれ よい子よ」
♪♪「庭や牧場に 鳥も羊も」
桜子?
桜子! 桜子!
≪(達彦と桜子の笑い声)
ああ! びっくりした!
達彦さん 慌てふためいて
連絡してくるから→
私ら みんな 気が気じゃなくて。
すみません。
急に高熱が出たもんで。
でも 今は落ち着いとるんです。
こんなふうに
みんなが集まってくれるなんて→
病気も悪くないね。
何 言っとる!
どいだけ心配したと思っとるの!
冬吾さん ハンケチ持っとらんの?
ああ…。
そんくらい 持っとらんと。
笛姉ちゃんの涙が
いつでも 拭けるように。
杏姉ちゃん。
何? 桜ちゃん。
幸せになってね。
これからも いろんな人を幸せにしてあげて。
うん。
勇ちゃん。
俺は 笛姉ちゃんと杏姉ちゃん