はい！
仕事の内容は その帳面に書いてあります。
何や これ…。
＜これは
何のため？→
どれもこれも 葉っぱは３枚やんか！→
四葉の白詰草なんてあんの！？＞
何でやねん！ もう何でやねん！
＜昨日 全部洗たのに どんだけ着替えんの＞
千鳥～！
こないして 数日が過ぎていきました。
もちろん 千代ちゃんが
お稽古してもらえたことは→
一度もありません。
（千鳥）違う！ 何で分かんないんだよ！
違う違う！ 違う！
そんなある日 清子さんが千鳥さんを訪ねてきはりました。
昨日 座本から言われました。
このまま客の数が減り続けるみたいやったら→
山村千鳥一座は 今月で打ち切るて。
今 子供から大人にまで えらい人気の「正チャンの冒険」って漫画です。
これをやれば うちに来てくれへんかった
お客さんが集まるんやないかと。
台本も書いてみました。
私のやるべきものじゃない。→
その目障りなもの
さっさと しまいなさい。
あの これ…。 ちょっことくらい
見てあげてもええのと違いますか？
そんな 客に こびを売るような
子供だましの芝居 へどが出る！
あなたも もう来なくていいから。
さっさと出ていきなさい！
ほな そないさしてもらいます。
何が山村千鳥一座や。
今 あんたのことなんか
だ～れも知らんわ！
偉そうなこと言うてはったけど
ちょっこともお稽古しはりませんやん。
大好きなお芝居を あんたみたいな人から
学びとうあれしまへん！
短い間だしたけど お世話になりました。
いや お世話しました～！
堪忍な。 私のために。
ええんだす。どうせ時間の問題やったさかい。
清子さん よう あないな人と
一緒にいてはりますなあ。
ああ～！
あいつ ほんま しょうもないで！
口悪いし もの投げるし わがままやし。
いっそ自分で一座作りはったら どないだす？
できへんわ。
私 山村千鳥が大好きやねん。→
うちら 女やからてだけで→
なかなか相手にしてもらわれへんかった。→
いろんなとこ回ったわ。→
田舎のちっちゃい小屋でお客なんか ほとんどいてへんかった。
やっと京都で
常打ちできるようになったのにな。
あの人な ひどい旦那さんに裏切られて
ずっと一人で生きてきたんやて。→
死のうとしたこともあったみたいやわ。→
けど その時にな→
幸運の四葉を見つけて。
西洋では白詰草のことを クローバーていうんや。→
見つけた人は幸せになるて
言い伝えがあるんやて。→
それで 生きてみよて思たそうや。
さあ さあさあさあさあ今月の指名一番人気は洋子ちゃんです～！
（拍手）
（清子）きっとあんたらも 似たようなもんやろ。
そうだすな。 おんなじだすな。
せやさかい あの人のこと 許したって。
やめとくなはれ 清子さん。
≪（千鳥）違う！ もう一度！→
もう一度！
千鳥さんは８時間 寝てたわけやなかったんです。
毎晩 数時間
一人でお稽古してはったんや。
暑い！ 暑い！
（千鳥）もう一回！
昨日は すんまへんだした！
生まれ変わったつもりでもっぺん お世話さしとくれやす！
駄目よ。 早く消えて。
怒鳴られないと分からないの！
次はないからね。
そのうち役が貰えるなんて思ったら大間違いよ。
あなたは ずっと雑用。
それでもいいわね。
ようあれしまへん。
けど それが今のうちの力だすな。
あった～！
今日も ええ天気や。
よっしゃ！
うちも出ることになったんだす。ほいで どないな役なんよ？
もう大丈夫でチュチュチュ～！
叫ぶんじゃない！ 言ったでしょ。
あなたの困った顔を見るのが
楽しみだって。
これまで 道頓堀で