(嶋田)ここね 力いります。→
ここで もう一回…
締めつけといて…。
ある程度 締めつけたところで
今度はコテを使わず→
布と素手で
上方向に のばしていきます。
右手の4本の指に
ぐっと力を入れ→
少しずつ 少しずつ 上にスライド。
厚さが均一になるよう手の感覚で確かめながら→
引きのばしていきます。
再び コテで表面を整えたら。
1段目の完成とは
どういう事でしょうか?
実は テーブルは
このように天地を逆にして→
3段階で作られています。
最初にあった丸い板は→
テーブルの天板にあたる部分。
そして 今できたのは ここ。
粘土が乾燥したら→
そろばんの珠のような2段目の作成に入り→
最後にテーブルの脚にあたる
3段目を作って完成させます。
さあ 作業再開。
♪♪~
1段目と2段目の
つなぎの部分から→
しのを積み上げていき
形を整えます。
♪♪~
でも もうフォルムが出てきてますね。
ホント さっきまで別々だったとは
思えないぐらい もう…。
(嶋田)そうでしょう。
はい。 一つになりましたね。
(嶋田)一つのものにしていかな
いかんからね。
♪♪~
そろばんの珠のような造形ができました。
そして 最終段階。
テーブルの脚の部分に入ります。
ここまで
積み上げた粘土の総重量は→
およそ17キロ。
ここからが正念場。
やっぱり いっぺんにやっちゃうと
駄目なんですか?
へ~。
嶋田さんが目指す粘土の厚みは15ミリほど。
強度を保ちながら
重くなりすぎないようにする→
最適な値なんだそう。
全神経を指先に集中させます。
よし できた。
これで完成です。すご~い!
ようやく成形が終了。
嶋田さんも納得のいく出来です。
♪♪~
最後に釉薬を吹きつけ窯で焼くのですが→
嶋田さんは全て1人で行います。
石見焼は高温で焼く事で初めて丈夫な製品になるんだとか。
そのヒミツは土の成分にあります。
石見焼の土にはシリカやアルミナと呼ばれる→
熱に強い成分が
多く含まれています。
この成分が少ない場合→
1,300度を超えると→
溶けて形が崩れてしまいます。
しかし シリカやアルミナが多いと→
1,300度の高温にも
耐えられるんです。
だから
丈夫な大物陶器が作れるんです。
1か月かけて→
嶋田さんのサイドテーブルが完成しました。
(嶋田)そういうつもりで
作ってます。 全て。
作り手もそうですし 使う人も…
土の性質を知り尽くした職人が→
こん身の力で生み出した
イッピンです。
ここ島根で
石見焼が作られ始めたのは→
江戸時代の事。
水をためておく 大きな水がめは→
各家庭になくてはならない
大切な生活用品でした。
江戸時代末期 北前船によって→
全国に水がめや つぼを出荷。
石見焼は質の高い
大物陶器の産地として→
広く知られるようになりました。
昭和の中頃まで水がめの需要は多く→
大規模な生産が行われていました。
しかし 戦後急速に広がる水道の普及や→
プラスチック容器に替わる事で
需要が減少してしまいます。
今から13年前。