2021/01/17(日) 23:25〜23:55 情熱大陸【パン職人/竹内善之▽88歳現役パン職人は「奇跡の窯」で今日も焼く!】[字]

<パチパチと音を上げる→
焼きたての食パン>
<立ち上る香りには→
つい
笑顔を誘われるほどの力がある>
<もちろん 味は期待を裏切らない>
(竹内善之)すいません
(スタッフ)いや 僕らは あの…
お気遣いなく
<パン職人・竹内善之は→
去年 米寿を迎えた>
<機械に頼らない 丁寧な手作り>
<慈しむように作られた食パンは→
熟練の技を宿して
高い評判を呼んでいる>
うん…
<焼き上がりを待つファンに→
その魅力を尋ねてみよう>
<全ては 竹内の手のひらと→
年季の入った窯から生まれている>
<戦時中に作られた窯は町を襲った空襲に耐え…>
<26年前の今日→
あの阪神・淡路大震災にもびくともしなかった>
<店の周囲には
甚大な被害が及び→
建物が
いくつも倒壊したというのに…>
もう あれは…
<竹内は 無事だった窯ですぐにパンを焼いた>
<だから 人呼んで…>


<職人の志は 今も高い>
僕は…
<88歳の気骨が燃えている>
♪♪~
<早くから海外に開けた港町・神戸は→
パンの激戦区としても名高い>
<竹内善之が窯を守るフロイン堂は→
東灘区の住宅街にある>
(スタッフ)おはようございます
<自宅から工房に出勤するのは
毎朝6時半だった>
<9年前に亡くなった妻は→
ドーナツ作りが達者な人だったそうだ>
<まずは 仏壇に向き合うのが
いつもの倣い>
(鈴の音)
<工房の半地下に どっしりと→
あの奇跡の窯が構えていた>
<昭和19年ごろに作られたという窯には→
言い知れぬ迫力がある>
<物資不足の時代にかき集められたレンガは→
大小不規則>
<それでもいまだに 故障は一度もない>
<戦時中は
意外な役にも立ったそうだ>
嫁さんより大事言うたら
怒られるかもしらんけど
<かつては 薪を使っていたが→
今は 特注のガスバーナー>
<パンを焼く温度に達するまで


およそ3時間かかる>
<午前7時から生地作り>
<小麦粉と塩に砂糖とイースト菌>
<特別なものは 一切使わない>
(スタッフ)この小麦粉は 特別な…?
(スタッフ)特別なお水なんですか?
<ごく一般的な材料から→
なぜ 人をとりこにする食パンが
出来るのか…>
<スタッフの手を
借りることはあっても→
仕込みの段階でミキサーなどに
頼ることはなかった>
<理由がある>
もう…
それを やっぱり…
…なぁと思うんです
<手のひらは→
どんな機械もかなわない精度を持つセンサーだと→
竹内は言う>
<どうやら 今が大事な時らしい>
<やがて パン生地が
不思議な音を立て始めた>
(ガスの抜ける音)
<発酵とともに発生したガスが抜ける音を→
ねずみ鳴きという>
<この音が高いほど出来は よくなるそうだ>
<生地を焼き型に入れると
成長を促す発酵室へ>
<下から 蒸気で

温度と湿度を調整する>
<なんともシンプルな
やり方だった>
<午前9時に店がオープンしても→
ショーケースにほとんど商品はない>
<店頭には さまざまなパンの
焼き上がり時刻が→
掲示されていた>
[TEL](着信音)
はい フロイン堂です