2020/01/21(火) 22:30〜23:20 プロフェッショナル 仕事の流儀「一匹一匹、一歩一歩〜獣医師・田向健一〜」[解][字]

その極意を熱く語り合います。プレゼンに悩む方、必見です!
世にも珍奇な生き物を その男は診ていた。
サルの一種…
そして…
他では診てもらえない。
さじを投げられた動物が
次々とやって来る。
犬や猫以外の「エキゾチックアニマル」の
診療において→
比類なき実績を持つ男。
一刻を争う 命の現場。
何が 彼を駆り立てるのか。
獣医師・田向健一は意外な趣味の持ち主だった。
これ。 これね…
一番の宝物は これ。
(取材者)
なるほど。 そんなに高くないんですね。
診療は 朝9時から夜7時まで。
どうですか? その後。
土日ともなれば 100を超える動物が
飼い主に連れられ 全国からやって来る。
結構出た?
犬や猫が半数を占めるがどんな動物でも受け入れる。
それが 田向の信条だ。
珍しい は虫類がやって来た。
服の中から現れたのは
アフリカに生息する…
ここ2週間 食欲はあるものの
液状の便しか出ず→
歩き方も どこかおかしいという。


飼い主の話を聞きながらトカゲの下腹部を触り始めた。
直径数センチの異物を見つけた。
正体を探るべく レントゲン写真を撮る。
だが あらゆる動物を診てきた田向には
既に正体が分かった様子だった。
ヒトの肛門に当たる総排出腔に
綿棒を差し込み ほじくり出す。
出てきたのは…
尿の成分が凝固し 悪さをしていた。
最後に 軟こうを 総排出腔に塗り込み
処置を終えた。
…っていう考えでやっているんですよね。
今度は カメレオンがやって来た。
左の目が 開かないほど
腫れ上がっていた。
ヒト用の結膜炎の目薬を
カメレオンにさす。
診察を終えると 手術の時間。
多い時は 1日3~4件 手がける。
オーストラリアなどに生息する
フクロモモンガ。
生殖器に 異変をきたしていた。
有袋類特有の2本に分かれたペニスを切る。
手がけたことのない動物でも→
これまでの経験があれば動じることはないと田向は言う。
しかし 百戦錬磨の田向をもってしても
難しい動物がやって来た。
はい こんにちは。
東南アジアに生息する希少種…
名は マリコちゃん 1歳半。


左脚をかばうような歩き方。
レントゲンで 脚の骨を調べる。
股関節に 剥離骨折した骨の破片。
これが 痛みの原因と考えられた。
放置しても 命に支障はない。
だが 左脚に障害が残る可能性が高い。
飼い主と相談し 手術することにした。
だが 田向には 一抹の不安があった。
田向といえどもコツメカワウソの脚の手術は初めて。
世界的にも 極めて珍しい手術。
参考になる症例も見つからない。
手術が始まった。
痛みの原因となっている 骨の破片を探す。
やはり 犬とは違う。
筋肉が大きく盛り上がっており股関節へのアプローチが容易ではない。
それでも 僅か10分で
股関節にたどりついた。
だが…。
(田向)2ミリぐらい?
これ以上 深追いせず
諦めるという考えもある。
そもそも 手術を断る
という選択肢もあった。
だが 田向の思いは ひとつ。
破片を1つ 取り除いた。
更に 大きな破片。
だが…。
小さな破片を1つでも取り残せば
痛みは残る。
この瞬間 できうることの全てを

目の前の命のために注ぐ。
あっ いいんじゃん。
計6個の破片を取り除いた。
1か月後 コツメカワウソの
マリコちゃんがやって来た。
普通?
はい。
彼女は はつらつとしていた。
田向さんは 休日も動物と一緒。
散歩から戻ると