「僕 オシドリのヒナ。昨日 生まれたばっかりなんだ。→
高くて怖いなあ~。→
え~い!→
お母さ~ん!」。
人口197万の札幌市。
近年 街の真ん中で オシドリが→
子育てをするようになりました。
森に比べて人目につきやすい街の中。
お母さんはたくさんのヒナを連れ歩きます。
多い時には 20羽以上。
一体どうやって育てているんでしょう?
いっぱい ヒナいる中 みんな…
街ならではの試練は多く ヒナが命を落とすことも少なくありません。
ここぞという時は勇敢な お母さん。
ふだんは おおらかにヒナを育てます。
札幌の街なかで
小さな命を育む オシドリ母さん。
春から夏 3か月にわたる→
波乱の子育てに密着です!
♪♪~
札幌市の中心部に程近い…
南北2キロ 東西1キロの
広大なキャンパスには→
多くの木々が生え 水も豊かです。
北大と呼ばれ 地元住民や観光客の憩いの場にもなっています。
3月 南のほうから渡ってくる鳥がいます。
オシドリです。
体長は45cmほど。
こちらは オス。
鮮やかな羽は メスへのアピールです。
一方 メスは 地味。
カップルの相手は 南国で 冬を
過ごすころから決まっているといいます。
北大では
毎年4~5組のつがいが繁殖します。
高い枝の上にカップルがいます。
あっ メスが飛びました。
木のウロを探していました。
卵を産み 育てるためです。
キャンパスには ウロのできやすい大木が
多く残されています。
カップルたちは ひと月以上もの間
お気に入りの巣を探し続けていました。
北国の遅い春。
北海道を代表する落葉樹でケヤキに近い仲間です。
そのウロから… よいしょっと。
窮屈そうにメスが出てきます。
ハルニレのウロを巣に選んだので→
「春子」と名付けて見ていくことにしましょう。
春子の留守中に巣の中を拝見。
深さ50cmほどの巣の底に…→
羽毛に覆われた卵が見えます。
春子は自分の羽毛を抜いて卵が冷えるのを防いでいたんです。
(鳴き声)
あ~! カラスが卵を狙っています。
でも オシドリより一回り体が大きいため
巣に入ることはできません。
春子は 卵を天敵から守る巣として
最高のウロを選んだんです。
巣を出た春子。 小川に飛んできました。
夢中で水浴び。
ウロの中でついた ほこりや汚れを
落としているんです。
春子の傍らに寄り添うのは
パートナーのオスです。
「春彦」と名付けます。
「オシドリ夫婦」とはまさに このことでしょうか。
仲がいいですね。
でも ウロで卵を抱いているのは春子。
ゆっくりしては いられません。
忙しそうに草の実を食べています。
春子の外出は 朝夕2回で
それぞれ1時間足らず。
外出すると決まって訪れるのが
アカナラの木の下。
なぜって そこには…→
ドングリ! オシドリの大好物です。
キャンパスには オシドリが巣にする
ウロがある大木があり→
そこから 僅か300mの範囲に→
水辺とごちそうがあります。
卵を産み育てる春子にとって→
申し分のない環境です。
春子の食事中
春彦は片ときも離れず そばにいます。
何かを警戒しているようです。
相手は 別のオス。
ほかのオスから春子を守っているんです。
春彦は 春子のガードマンです!
あっ 春子が飛びました。
春彦も追います。
ハルニレの巣に まっしぐら。
春子を 春彦がしっかりエスコートします。
春子が巣穴に入りました。
ヒナがふ化するまで1か月。
メスの春子だけが卵を抱き続けます。
夕方 春子が出てきました。
あっ 巣穴の中で動いています!
(鳴き声)
生まれたばかりのヒナが