♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(桜子)加寿ちゃん 亨ちゃんじゃあね。 元気でね。
ほいじゃあ 行ってきます!
(冬吾)またな 桜ちゃん。
(笛子)本当に ありがとう。
(郵便局員)有森桜子さんはおられますか?
はい!
ああ 電報です。
ありがとうございます。
はい。
「店 大変 すぐ帰られたし
野木山」。
「店 大変」…。
何で女将さんじゃなくて野木山さんが?
とにかく すぐ帰りん。
うん。
ほいじゃ。
桜子も大変だわ。お店の人に頼られて。
(杏子)笛姉ちゃん! 桜ちゃんは!?
今 行ったとこだで 追いかけたら間に合うかも分からんよ。
ほう…。 あっ いいわ…。
ほうだったら いい。
(冬吾)せっかく 走ってきたのに
会えなくて 残念だったな。
さっき 入院中の兵隊さんから
聞いたんだけど→
達彦さんのおった部隊が
激戦地に送られたって。
全滅したっていう噂もあるって。
私 それ聞いて 無我夢中で駆け出してきちゃったもんで…。
ほうでも
桜ちゃんに会わんで よかった。
確かな話でもなし 桜ちゃんには
知らさん方が いいね。
そうだよね。
(マサ)<達彦が出征してはや 3年がたっていました>
(汽笛)
(おふみ)若女将 お帰りなさい!ただいま。
(仙吉)若女将 お帰りなさい!
ただいま戻りました。 長い間留守にして ごめんなさい!
みんな 元気だった?
はい!
若女将も お元気そうで
何よりです。
あっ 女将さんは?
町会の寄り合いに出かけとられます。そう。
(野木山)あっ! 若女将!
よう戻っておくれました。
野木山さん ただいま!
あの電報 見たよ。 どういう事?
さあ ほれなんですよ 若女将。
驚かれんで下さいね。
実はですね…。
(タネ)いらっしゃいませ!
ああ! 忙しい 忙しい!
♪♪~
初めまして。 私 かねの妹で
松浦タネといいます。→
あなたが桜子さん?→
まあ かわいらしい娘さんじゃないですか!
ねえ あなた。
(利雄)ほうだなあ。
主人の利雄です。→
こっちは 長男の太郎。→
太郎。
桜子さんに ご挨拶しなさい。
こんにちは!
太郎さん 初めまして。
(太郎)初めまして!
お世話になります!
まあ いい挨拶ができたこと!
東京から はるばる 混んだ汽車に揺られて さぞや お疲れでしょう。
まずは 顔でも洗って ゆっくり
腹ごしらえしなさって下さい。
はい。
東京では お姉さんを手伝って食うや食わずだったんでしょう?
まあ せいぜい食べて
精をつけて下さいな。
ありがとうございます。
白い御飯なんて 久しぶりです。
あるところには あるんですよ。
ホホホホ! どうぞ 召し上がって!
頂きます。
今まで 不肖の姉 かねを支えお店のために 尽くして頂いて→
本当に ありがとうございました!
姉のかねは身内の私の目から見ても→
何ちゅうか まあ…
難しい性格です。
あの姉のわがままに
よう辛抱して→
今まで
やってこられたと思います。
ねえ あなた!
ほうだなあ。
桜子さんは
もともと 達彦ちゃんとは→
ただ婚約しなさっただけだで→
お嫁に来た訳じゃないですもんねえ。
それなのに 次から次に