せられた出店条件。
それは39時間以内に工事を終え
、
店をオープンさせるという、無謀
なものだった。
そこで39時間の壁に立ち向かっ
た作戦が。
>>奥行きはここまでですね。
>>なるほど。
>>事前に空き地に1つのお店を
何回も作っては壊し、作っては壊
し、
何回もシミュレーションを繰り返したと聞いています。
>>実際の店舗と同じ広さの空き
地で繰り返し練習。
最初は60時間かかっていたが。
>>用意、スタート。
>>回を重ねるうちに、時間は確
実に短縮されていった。
>>遅れられないというプレッシ
ャーの中で、事前準備の段階から
、当日、動いてくれる職人さんが
、
事前に参加してくれてなければ出
来なかったと思うんですね。
当時の、当然初出店ですから、無
名のマクドナルドに、
なぜそこまで協力してくれたのか
っていうのが、
われわれの今の驚きですね。
>>そしていよいよ工事当日。
午後18時の閉店から39時間の
カウントダウンが始まる。
>>では皆さん、
練習どおりお願いします。>>任せてください。
行くぞ!
>>おー!
>>工事は時間内に。
内装はもちろん、電気系統、そし
て水回り、ガス、すべてを終えな
ければならない。
現場にはオープニングセレモニー
のため、
アメリカから来日していたマクド
ナルドの創業者も視察に。
しかし。
>>おー、なんてことだ、何も出来てないじゃないか。
>>だが、藤田氏には自信があっ
た。
あらかじめ可能なかぎり組み立て
て運び入れれば工事の時間は短縮
できる。練習を繰り返したからこ
そできるチームワークだった。
>>どうした?
大丈夫か?
大丈夫か?
>>すみません。
>>慌てなくていいから。
寝てないんだろ?
少し休みなさい。
>>大丈夫です。
やらせてください。
>>分かった。
よし、
なんとしても間に合わせよう。>>はい。
>>全員がすごい過度の緊張状態
でやってたと思います。
もちろん練習したはずなんですけ
ど、
ミスが許されない。
大変なことだったと思います。
>>工事は止まることなく夜を徹
して続けられた。
そして。
オープン当日の朝6時。
>>これで工事完了です。
皆さん、ありがとう。
>>なんと制限時間を3時間も残
して店は完成した。
>>さあ、いよいよわくわくマッ
クの大開店です。
>>藤田氏も満面の笑み。
銀座の街に突如現れたマクドナルド1号店は、
流行に敏感な若者から火がつき、
一気に大行列が出来る人気店とな
った。
>>当時の若い人たちの一つのファッションとして、
ハンバーガーを召し上がるという
スタイルというのが受け入れられ
たんではないかなと思います。
>>オープンから13年後、
1号店は惜しまれつつも閉店へ。
1972年にたたき出した1日の最高売り上げは、なんと222万
円。
当時、
全世界のマクドナルドの中での世
界記録に輝いた。
現在もマクドナルドの本社で、国
内の店舗としては唯一、模型が残
されている銀座第1号店。