これまでの経験や勘が→
通用しなくなり
不調が続いている。
しかも ミズダコは
海底に生息するため→
魚群探知機では捉えられない。
そこで 今 漁で使うための人工知能の開発が進んでいる。
これが 開発途上の人工知能。
海の表面温度などから ミズダコが生息する海底の水温を読み解き→
どこに獲物がいるかを
予測するのだ。
人工知能が指し示した場所に
船を走らせる。
仕掛けた籠を引き上げると
大物だった。
想像以上の威力である。
開発が進めば 漁に出る前にその日の漁獲量が→
分かるようになるという。
そうなれば→
事前に出荷先を
確保しておく事も可能となる。
同じ自然相手の農業でも
人工知能の開発が進んでいる。
いつ 種をまき
いつ 農薬を散布するべきか。
最適なタイミングを
人工知能が予測する。
自然界の気まぐれに
一喜一憂してきた→
人間の暮らしが
今 大きく変わろうとしている。
人工知能が予測するのは
自然界の動きだけではない。
人間の行動も対象にし始めた。
アメリカで急速に普及しているのが→
犯罪を予測する人工知能である。
ネブラスカ州のリンカーン警察では→
2年前から 犯罪捜査に
人工知能を導入した。
これから 数時間以内に
起こりそうな犯罪の種類や→
場所を予測し 指示を出す。
開発したのは社員60人のベンチャー企業。
今 アメリカで 12か所の警察が
このシステムを導入している。
人工知能が学習したのは→
リンカーンで起こった犯罪の記録5年分 11万件に上る。
起きた犯罪の内容だけではない。
近隣の店の営業時間→
犯罪発生時の天気
月の満ち欠けに至るまで→
30種類もの情報を掛け合わせ→
いつ どこで犯罪が起きるかをピンポイントで予測する。
パトロールの前に
警察官に配られたのは→
人工知能が この日 犯罪が
起きると予測した地図。
予測は 毎日 時間ごとに変わる。
人工知能が この日の午後の時間帯犯罪が起こると予測したのは→
ふだんは 事件とは縁遠い→
真っ昼間のスーパーマーケットの周辺だった。
早速 パトロールに向かう。
車は 人工知能が予測したエリアに入った。
目的地のラッスズ・マーケットに
到着した その時。
警察官が
登録の切れている車を発見した。
車内に入った時だった。
異臭が鼻をついた。
麻薬だった。
人工知能の予測は見事に的中した。
男は 麻薬所持で
事情聴取を受ける事になった。
その後も
人工知能は威力を発揮した。
人工知能の指し示す所
犯罪あり。
抑止効果はてきめんで 人工知能を
導入する前の年に比べて→
暴力事件や 性被害などの犯罪は
9%→
盗難は半分にまで減った。
しかし 人工知能による犯罪予測がもたらすのは→
よい事ばかりではない。
ひとつきに 70件の割合で殺人事件が起きる→
全米最悪の犯罪都市 シカゴ。
導入したのは 未来の犯罪者を予測する人工知能だった。
シカゴ警察の導入したシステムは
驚くべきものだった。
犯罪に関わる可能性のある人物を
人工知能に予測させ→
リストアップさせたのだ。
リストを作るにあたり まず2013年に シカゴで起こった→
400件の凶悪犯罪のデータを
人工知能に学習させた。
すると 人工知能は
加害者 被害者となった人物の→
実生活や インターネット上の
交友関係までたどり→
将来 犯罪に関わる可能性のある