さん使いましたし、処置の方法も
、いろんな人に聞いて変わったり
もしてるので。
＞＞全身にえ死が広がるのを防ぐ
ために行われた、緊急手術。
電気メスでえ死した部分が取り除
かれた。
なんとか一命を取り留めたフジ。
しかし、イルカの命といわれる尾
びれは、たったの４分の１以下に
なってしまった。
泳げなくなったフジは、仲間と離
れ、１頭だけで過ごすことが多く
なった。
＞＞明らかに運動量が減るので、
とは思ってたけど、
あそこまで動かないのかと思いましたね。
＞＞フジをまた、元気に泳がせて
やりたい。寝る間も惜しんで方法
を探していた植田獣医が、わらを
もすがる思いで連絡したのは。
＞＞よし、これにしよう。
＞＞加藤さん、電話です。＞＞え？
イルカの尾びれを作ってほしい？
＞＞まさに奇想天外でですね、び
っくりしましたね。
＞＞タイヤメーカー、ブリヂストンの加藤さん。
さまざまなゴム製品を開発してき
たゴムのスペシャリストだ。
植田獣医は、イルカの肌の感触が
ゴムに似ていることに目を付け、
フジのための人工尾びれの製作を
依頼したのだ。
＞＞いろんな開発を私、経験した
ことあるんですけれども、生き物
相手はやったことがなかったんで
、
全く自信もなかったですし、断っ
たんですが。
＞＞とにかく、一度話だけでも聞
いてほしいという熱意に押され、
水族館に出向いた加藤さん。
目にした光景にことばを失った。＞＞加藤さん、これがフジです。
＞＞これ、イルカですか？
＞＞プールの片隅で、１人でぽつんと浮いてて、なんか小学生がい
じめに遭って、
独りぼっちになってるというような印象を受けましたね。
＞＞泳ぎを忘れ、ただ浮かぶだけ
のフジ。
病気の前より２０キロ以上太って
しまい、
このままでは新たな病気で命を落
とす危険性も高まっていた。
＞＞この子を、
この子をもう一度泳がせたいんです。
人工尾びれを作ってください。
＞＞この子？
＞＞イルカをこの子って呼ぶんで
すね。
ああやっぱり、そうか、
この子なのかっていう。それを見ちゃうと、やっぱり待っ
てろよ、なんとかしてやるぞとい
う気にはなりましたね。
＞＞早速、
仕事の合間や休日を利用し、
人工尾びれの開発に取りかかった
加藤さん。
最初の試作品は、フジの残った小
さな尾びれに、シリコンゴムで作
った人工尾びれを上からかぶせ、
ひもで固定するものだった。
＞＞よし。
完成だ。
＞＞この形はともかく取り付けや
すいということだけを考えて。
＞＞上手だな。
＞＞手術からおよそ１０か月。
早速、フジに装着。
ゆっくり尾びれを動かし始めたものの、泳ぎを忘れてしまったのか
、ぎこちなかった。
その後も、改良を重ねた加藤さん。
すると。
＞＞自分から！
＞＞フジも、
次第に泳ぎの感覚を取り戻し、９か月たったころには、
力強いドルフィンキックができる
ようにまで回復したのだ。
＞＞開発した尾ひれをつけて、
ほかのイルカと一緒にプールの中をぐるぐる回ったんですよ。
本当にそれは感激しましたね。
＞＞しかし、喜んでいたやさき、
事件は起きた。
これが、そのときの映像。
久しぶりのジャンプに挑戦したフ
ジ。
しかし。
＞＞取れた。
＞＞ジャンプの衝撃で尾びれが割
れてしまったのだ。
＞＞折れた。