た。
>>筆のようにしなやかに書けて
、ボールペンのように手軽に使え
る。
2つのいいとこ取りをしたペンを作れたら、きっと売れるのにな。
>>日本ではもともと筆が主流。
ボールペンや油性ペンもあったが、書き心地が悪かったり、裏写り
したりと、
まだ欠点が多かった。そこで。
>>よし!水性のペンを作るぞ。
>>水性のペンって、そんなもの
、世界中、
どのメーカーも開発してないですよ。
>>だからこそ作るんだ。
ぺんてるがその世界初を作ってみせるんだ。
>>たぶん、当時は大変だったと
思いますよ。
>>工場長の長谷川さんとペン開
発課の古屋さん。
水性ペンの開発がいかに難しかっ
たのか、
教えてもらうことに。
>>やっぱり油性と水性のインキを比較すると、水性のほうが、中
綿にインキが浸透しにくい。
>>ペンの中はというと、ご覧の
ように、中綿が入っていて、その
中綿に接触するようにペン先があ
る。
文字を書くためには、
中綿にインクを浸透させてためて
おく必要があるのだが、油性に比
べさらさらしている水性のインク
。
そのため中綿に定着せず、
インクがこぼれてしまい、開発は不可能だといわれていたのだ。
>>うーん、バランスが難しいな
。
>>そうですね。
>>そこで、
まず取りかかったのが、
さらさらのインクをこぼさず書き心地を追求したペン先の改良だっ
た。
素材は当時の最先端である丈夫な
アクリル繊維を採用。
それを固めて、
油性のペン先より2.5倍の硬さ
を誇るペン先を開発。
硬くしたことで、細く削ることが
でき、
これまでの油性ペンでは難しかっ
たペン先の形を作ったのだ。
>>あまりにも硬くし過ぎると、
筆の滑らかさというのが達成でき
なくなってしまうので、硬くしつ
つ、
なおかつ滑らかにするっていうの
が、試行錯誤したと聞いています
。
>>理想のペンに近づきつつある
ものの、ここで最大の試練が。
>>わー!
>>どうした?
>>文字を書こうと思って、今、
キャップを開けた瞬間、
インクが吹き出てきたんです。>>インクが吹き出る?
>>大量に吹き出したインク。
一体なぜこんなことに。
>>手に持つと、中の空気が膨張
して、インクを押し出してしまう
んです。
なので、
インクが漏れてしまったと。
>>実はこれ、水性インクならで
はの欠点。
強く握ると手の温度でペンの中が暖まり、
空気が膨張。
膨張した空気は逃げ場がなくなっ
てしまい、さらさらのインクを勢
いよく押し出してしまうのだ。
>>水性のインクじゃやっぱり難
しいのか。
>>この難題に思わぬ解決法が。
>>社長。
>>ん?なんだ?
>>もしかしたら、
穴を開けたらいいんじゃないです
か。
>>穴?
>>皆さんご存じないかもしれないんですけど、
ここに小さな穴が開いてます。
1ミリぐらいの穴なんですけど。
この穴を開けることで、空気がこ
の穴から逃げてくれるので、イン
クが押し出されずに済みます。
>>なんの変哲もない穴を開けることが、水性ペン完成の決め手に
なったのだ。
研究を重ねること3年。
ようやく世界初の水性ペンが誕生
。
ボディカラーは当時の流行色、ベ