≪(三条)西郷… 西郷。≪ご無理はいけませぬ!
西郷 西郷…!
三条様!
ご無理はいけもはんど! 三条様。
こない頼りない まろが扇の要なはずがないやろ。
三条様…。
西郷… ほんまに すまん!
いえ。
信じてもらわれへんやろうけど岩倉はんらが帰ってくるまでの政府は→
よかった。
天子様と政府と 日本の民が→
ほんまの扇みたいに
きれいに つながってるようでなぁ。
はい。
うっ…。
ご無理は!
三条様 床へ。
お前に言うとかな
あかんことがあるんや。
ないでございもすか?
大久保や。→
大久保が 恐ろしいことをたくらんでる。
♪♪~
(岩倉)
畏れながら申し上げたき儀がございます。
(明治天皇)申せ。
はっ。
<三条が倒れて数日後
再び閣議が開かれることとなりました>
♪♪~
御一同! 閣議を始める。
まろが 太政大臣代理である!
三条様が お倒れになった今太政大臣代理を務められるのは→
岩倉様のほかにおられません。
まろに 三条はんの代わりをせえ言うんか。
これは天佑です。 この機会を逃せば
我々に勝機はありません。
岩倉様のお言葉一つで
西郷たちのもくろみを潰すことができる。
天子様に お伝え下さい。
西郷が朝鮮国へ行き戦を始めようとしていると。
天子様に 嘘偽りを言上するなど
断じて ありえん!
ならば!
ならば 「西郷が命を落とすやもしれぬ」とお伝えする。
それならば 嘘偽りではありません。
朝鮮国使節派遣についての天子様のお言葉を伝える。
(岩倉)「朕 繼統の始より…」。
<太政大臣代理となった岩倉は→
その権限をもって天子様に上奏し→
朝鮮国使節派遣を否決するという→
大どんでん返しを行ったのです>
「奉承せよ」というわけで朝鮮国使節派遣は お見送りになった。→
そういうこっちゃ。
(たたきつける音)(板垣)岩倉閣下!
どういうことぜよ?
天子様に何ば申されたのですか?
岩倉様が太政大臣代理ならば→
三条様が閣議で可決されたことばご納得された上で→
上奏されるべきにござろう!
そんとおりじゃ!
まろは 三条はんに頼まれたわけやない。
天子様に任命されたんや!
岩倉の考えをそえて
上奏して何が悪いねん!
そんな横暴 許さん!
板垣さん!
やめ! 板垣さん やめいって!
(岩倉)やれるもんなら やってみい!→
脅しが怖うて 政ができるか!
岩倉様!
西郷参議…。
じゃっどん 我らの尽くした論議が意味をなさずでは→
我らが ここにいる意味すらも
なくなりもんど。
そのとおりや。
何やと!やめいよ!
(岩倉)けど これは決定や。→
天子様のご叡慮や。決まったもんは しかたない!
決まったもんば ひっくり返したんは
そっちじゃろ!
黙らっしゃい! これが まろのやり方や!
分かいもした。
我ら一同 天子様のお言葉に従いもす。
(江藤)西郷参議!
そら ええ心がけや。
天子様は お前のこと気にかけておられた。
死に急いだら あかん言うてな。
しかしながら 一つだけ…。
何じゃ?
朝鮮国に残る居留民のことです。
命が危ういと分かった時は→
すぐに遣いを出し 助け出して下さいませ。
分かっとる。 分かっとる。
おいの役目 ここまででございもすな。
あとは お任せいたしもす。
西郷さん。西郷参議!
まだじゃ 西郷参議!
西郷参議 ちっくと待ちや!待たんか!西郷参議!
♪♪~