あえて、「わざわ
ざ泊まるホテル」を生み出すこと
を目指すのが、関西
を中心に、地域密着型のホテル「
セトレグループ」を
展開する、「ホロニック」の岸本
舞さんです。
開業まで3ヵ月。
スタッフと議論を重ね、ホテルの客室内に備える、さ
まざまな小物のセレクションに追
われていました。
「さっき見ていた図面は何ですか
?」
「これ、ルームキーなんですけど
」
「全部のお部屋、今回外壁全部、
杉・ヒノキを使って
いるので。ルームキーも、通常の
ルームキーではなく
て、何か面白いもの作れないかな
っていうので」
「お部屋のキーってもらったら、
お部屋にポンと置い
て終わりじゃないですか。だと何
か、せっかく作るの
に勿体ないよねっていうので、今
回はちょっと壁掛け
に出来るように。こんな感じで」
女性ならではの目線と感性が冴えます。
急ピッチで工事が進められる現場
でも、彼女がこだわ
る、さまざまなプランを披露して
くれました。
「マイスタールームという、奈良
の伝統を集
結したお部屋が、まずこのエリア
に立ちまして」
「その隣に、宿泊者の方が全て無
料で使っていただけ
るラウンジ。クラブラウンジの方
が、ここに併設され
ブル、ダイニングになるんですけ
ど。うちのシェフと
お客様が、対面しながら、料理を
作りながら、料理を
お出しして楽しんでいただく場所。
本当に、小料理屋
さんのようなイメージ」「せっか
く厳選した食材を
直接料理人から説明であったり、
その場で捌いてるの
を見たりっていうのを出来るよう
な、特別空間を作っ
てます」
そして、とっておきの場所がここ。
「目の前に五重塔が見える。ここ
は本当にも
う、宿泊のお客さま専用のスペー
スで設けてまして」
「そうなんです、そうなん
です。結構見上げることがやはり多いので。こういう
目線で見られるっていうところで、
すごく私も好きなスペースです」
「ここに上がって来ると、思わず、
手を合わせたくなる」
「そうですね」沖縄県浦添市出身
の岸本さん。
小さいころから、家族で旅行に出
かけることが多く、
自然とホテル業界に興味を抱いた
といいます。
大学進学を機に神戸に移り住み、
卒業後も、神戸に本
社がある今の会社に就職しました。
「実際この業界に入ってみて、思い描いてい
たものどおりだったか?それとも
違う部分が多かっ
たか?」
入社してわずか5年目での支配人就任。
これまで、マネジメントの経験が
一切なかった彼女を
いわば2階級特進で大抜擢したのが
、この人、長田社長です。
社内でも20代の支配人誕生は初め
てだといいます。
そう、何事にも物おじしない性格
が、岸本さんの最大の長所。
奈良のホテル業界を取り巻く厳し
い環境についても。
ねて生まれた、ディナーメニュー
の数々がこちら。
地元・奈良で採れた旬の食材
を生かし、ジャンルにとらわれない創作料理が並びます。
「まほろば赤牛」とよばれる、大
和牛を低温調理し、
新鮮な大和野菜に地元産大豆の醤
油チップをまぶした
一皿や、奈良県産のブランド豚「
郷ポーク」を、日本
酒を浸した吉野杉の板の上であぶ