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2018/12/15(土) 16:15〜17:05 NHKスペシャル選「沢木耕太郎 アマゾン思索紀行〜隔絶された人々 イゾラド〜」[字]


看護師から→
ポスエロのもとに

報告が なされた。
「コルボから マラリア患者が
出た」というのだ。
患者は 1歳の赤ん坊で
薬をのませたが 熱が高いという。
翌日 治療のため コルボの集落に
出向くことになった。
最初の接触以降→
大人と子どもが それぞれ1人マラリアで死んでいる。
コルボ族だ。 手には 武器となる
長い棒を持っている。
(ポスエロからの無線)
先頭の船に乗っているポスエロから→
「待機せよ」という
無線が入った。
私たちが 危険な存在では
ないことを→
あらかじめ


説明する必要が あったのだ。
彼らと 意思の疎通が できるのは
言語が近い マチス族だけだが→
それでも 半分くらいしか
分からないという。
ポスエロから OKが出た。
(通訳)知らない人がたくさんいるから→
常にある程度のリスクはあると。→
動作も ゆったりとしたの…速い動作はやめた方がいい。
この家族は→
森の奥深くに住んでいると思われる イゾラドの母集団から→
ケンカ別れをして出てきた
小さな集団に属していた。
1996年の接触以来 彼らは→
ジャバリ基地の隊員以外とは接触がない。
幸い マラリアに かかった
赤ん坊は 前日の薬が効き→
病状は改善されているようだった。
突然 女が怒鳴りだした。
(通訳)これは もう
冗談なんだって。→
いかにも怒っているように
見えるけど これも…。
(笑い声)
今でこそ こうした医療活動を受け入れている コルボだが→
ここまで くるのに
5年は かかったという。
アマゾンには もともと
マラリアは なかった。
文明社会が持ち込んだのだ。

しかし 病を治すためにはその文明に頼らなければならない。
ポスエロは→
文明社会が犯してきた罪に関する人々の無関心に いらだっていた。
ここは元来イゾラドの土地なのだ。
それなのに 私たちは→
彼らの 森や川を奪い
無数の命を奪ってきた。
だから 私たちは
その償いを しなくてはならない。
ポスエロの この信念は
過去の痛切な体験に基づいていた。
1980年代まで フナイは アマゾン
開発を進める 政府のもと→
イゾラドとの接触を
積極的に行った。
彼らを いわゆる
「文明化」しようと したのだ。
しかし 接触の後 彼らは
瞬く間に 死んでいった。
イゾラドには 病原菌に対する
免疫が なかったのだ。
20世紀の 100年間で→
分かっているだけで59のイゾラド部族が 絶滅した。
ポスエロは 繰り返し言った。
「どれほど 私たちと異なるものであれ→
それが 地球上から
消えるということは→
私たち自身の豊かさを
失うことに なるのだよ」と。
500年前 300万人以上いたはずの

先住民は 激減し→
今や イゾラドも 数千人程度しか
いないと考えられている。
(笛)
すべてを均質化してやまない現代文明の渦が→
すさまじい勢いで イゾラドを
巻き込もうとしている。
私は あの コルボの森の
笑いに満ちた 不思議な時間を→
思わないわけには いかなかった。
(録音された 二人の会話)
森から 忽然と現れ→
その言語が 誰にも分からなかった二人のイゾラド。
彼らは よく 口にする
言葉の断片から→
「アウレ」と「アウラ」と
名づけられた。
二人の推定年齢は 30歳から35歳。
「アウラ」と名づけられた1人は→
陽気で明るい性格をしていたが

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