冬 グリズリーは土の中に巣穴を構え 冬眠する。
その場所は
標高1,800メートルを超える 山の斜面。
巣穴は
冬の間 深い雪で埋もれている。
まれに
その上を なだれが通り過ぎる。
積み重なる雪は 断熱材となり→
巣穴の中の温度を 一定に保つ。
そして 冬の終わり。
目覚めたグリズリーたちが次々と 巣穴から出てくる。
グリズリーは 冬眠中に子供を産む。
この なだれの多い雪山なら→
天敵は 近づく事ができない。
雪という自然の猛威を→
生き抜くためのすべに
使っているのだ。
親子は 食べものを求め→
雪解けが始まっている麓へと向かう。
生まれたばかりの
子供にとっては→
初めて見る 外の世界だ。
つい最近なだれが起きたばかりの斜面を→
親子が横切っていく。
もたもたしている訳にはいかない。
(鳴き声)
いつ また雪の猛威が襲いかかるか分からない。
雪山で生きるグリズリーの宿命だ。
大地を覆い尽くす大雪も→
生きものたちにとっては
死活問題だ。
(うなり声)
ここは北米最大の草原地帯 プレーリー。
突然 雪が降り積もり
景色が 一変した。
(うなり声)
生きものたちに試練の時が やって来た。
1メートルを超えて積もった雪に→
巨体のバイソンさえ 悪戦苦闘する。
気温は マイナス40度まで下がる。
体温を保つためには食べなければならない。
この試練に
バイソンは 力業で立ち向かう。
大きな頭で 雪をかく。
1頭が 一日にかく雪は5トンにもなる。
こうして 埋もれた草を掘り起こし
極寒の地で 命をつなぐ。
しかし 体の小さな動物は
そうはいかない。
プレーリーに暮らす アカギツネ。
♪♪~
一体 何をやっているのか。
しきりに 耳を そばだてている。
雪の下に 何かがいるようだ。
♪♪~
(鳴き声)
捕らえたのは ハタネズミ。
小さいが
これで 当分は→
飢えを しのぐ事ができる。
バイソンは 力を→
キツネは 知恵を働かせ→
豪雪の大地を乗り切る。
地球上で起こる
さまざまな環境の激変。
とてつもない変化が短時間に
しかも 極端に起こる場所がある。
それは 赤道直下の高山だ。
ここは 標高5,000メートルを超える アフリカのケニア山。
この山では 一日のうちに
真夏と真冬が訪れる。
その激変を生き抜いているのが
巨大な植物たち。
普通 高山の植物は
小さなものが ほとんどだ。
しかし ここでは
10メートルを超えるものもある。
赤道直下の強い日ざしが
成長を促す。
日中は 30度ほどの暑さ。
ところが日が暮れると 状況は一変する。
気温は 氷点下5度まで下がる。
一日の寒暖差は40度近くにもなる。
毎晩 山は 氷の世界へと変貌する。
♪♪~
厳しい夜の冷え込みを→
植物たちは奇妙な営みで乗り切る。
分厚い葉を閉じる。
こうして 成長に大切な中心部を凍結から守る。
♪♪~
夜が明けると 再び夏が来る。
今度は葉を広げ 思う存分 浴びる。
植物が編み出した不思議な技が今日も繰り返される。
地球上で最も過酷な環境の一つ
砂漠。
一見 何も変化が
起こらないかのように見える大地。
しかし 想像をはるかに超える
激変が やって来る。
砂嵐だ。