山地区。
住人は、わずか18人高齢化率が
およそ8割の、限界集落だ。
人通りのない道を行くと。
忍者のイラストが描かれた、看板を発見!
そこには、「手打ち蕎麦」の文字
が。
どうやら、この民家のようだ。
山奥の集落に、その店は、ポツリと建っていた
この店を営む川見健治さん、67
歳。
自慢のソバは、香りにこだわった
本格派。
ところがである。
なんと、客が、ひとりも来ない日も、少なくないという!
地元住民も、思わず心配してしま
う立地なのだ。
営業は、午前10時から。
待てど暮らせども、客が来ない。
すると。
川見さん、店の外で草むしり。
おもてなし態勢は、バッチリ!
だが、客は来ない。
結局この日、客は、ただの一人も
来なかった。
それでもそば打ちは、おこたらな
い。
店にとって「勝負の週末」
妻の和美さんも、手伝いにやって来たが。
客が全く来ない日も、珍しくない、
限界集落のそば店。
なんと、一挙に7人がご来店!
待望のお客さんに、腕がなる!
聞けばこちらの男性、川見さんの
中学時代の同級生。
実は、ふるさとを離れていた川見
さんが、
ここで店を続ける理由は、
生まれ育った集落への、特別な思いからであった。
川見さんが子供の頃には、およそ
120人が暮らしていた、この奥
山集落。
しかし、現在は、11世帯18人にまで減少。
高齢化が進み、集落は消滅の危機
に瀕している。
ふるさとに、少しでも賑わいを取
り戻したい。
川見さんは、趣味で20年以上続
けてきた、
そば打ちの腕を生かし定年後、
空き家になっていた実家に、店をオープンさせたのだ。
この集落に残る忍者伝説を、アピ
ールしようと開発した
「忍者そば」。
手裏剣を型どった、そば粉の揚げものなどがセットになっている。
さらに、地元で捕獲された
イノシシの肉がたっぷりの、しし丼も提供!
なにもなければ通り過ぎてしまう
であろうこの場所に、
ささやかな賑わいが生まれている。
集落の住民は。
我々が取材した5日間で、訪れた
客は、
わずか6組であった。
ところで、家計は大丈夫なのだろうか。
自分を育ててくれた、ふるさとへ
の思いを胸に、
川見さんは、今日も客を待ってい
る。
ところ変わって長野県。
長野市の山間に位置する、信級地区。
住民およそ130人。
高齢化率は5割を超えるこの限界集落にも。
ポツリと佇む、一軒の食堂がある
!
腕をふるうのは、地元の主婦たち。
この土地で採れた、野菜や山菜をふんだんに使った日替わり定食や、
12時間煮込んだスープが自慢の、
鶏白湯ラーメン。地元で獲れたイノシシ肉のカレーなどを提供して
いる
この食堂の魅力は、料理がおいしいこと、だけではない!
水道すら通っていない、この集落
に、
まさか食堂ができるとは夢にも思
っていなかったという。
食堂をオープンさせたのはこの集
落出身の、
寺島純子さん59歳
狙い通り、食堂は住民たちの
社交場になっている。
日が高いうちから、焼酎片手にご機嫌な、
79歳の男性。
話し相手を求めて、毎日のように足を運んでいるという。
今年3月に夫を亡くしたばかりの、
87歳の女性も常連だ。
この食堂が、孤独をまぎらわせて
くれるのだ。
そんな食堂を訪れる人を、良く見
ると。
ご夫婦が、野菜など大量の食材を