24年を迎えた今も被災地にエー
ルを送り続ける彼らの思いを取材
しました。
心をふるわす、魂の音。
きのう、阪神淡路大震災の追悼行事に、
和太鼓「松村組」が出演しました。
代表の松村公彦さんは震災直後から、演奏活動を続けています。
松村さんは神戸市垂水区の自宅で
被災しました。
当時は市内の高校で音楽を教えて
いて、
生徒の安否確認のために、何日も
走り回ったといいます。
高校で、「和太鼓同好会」を立ち
上げたばかりでした。
震災2ヵ月後から、部員らと一緒
に、避難所などを回り続けました。
2001年に教師を辞めて、プロ
の和太鼓奏者として生きる決断を
します。
その後、全国各地を回り、神戸を支えてくれた「感謝」
を伝えてきました。
また、東日本大震災や熊本地震などで被災した地域に
は何度も足を運び、エールを送り
続けています。
松村組は現在、8人。
震災の記憶がない若手のメンバーもいますが、
活動の中で、震災を知り、自分に
できることを探し続けています。
新人の畑嶋春美さんは3年前に松
村組に入りました。
出身は北海道の厚真町。
去年9月に起こった、震度7の北海道地震で実家が全壊しました。
ちょうど松村組の北海道ツアーの
時期と重なり、
急遽、厚真町にも駆けつけました。
また、被災者との交流から、生まれた曲もあります。
政本憲一さんは当時消火活動にあ
たった消
防隊員の話をもとに、「暁ノ聲」
という曲の歌詞を書きました。
家族の安否もわからないまま、救
助にかけつけた隊員たち。
しかし、現場では水が使えず、燃
え広がる炎を前に、
立ち尽くすことしかできなかった、
苦しい記憶でした。
松村組は毎年1月17日に、追悼
行事に出演しています。
「今年は”暁ノ聲”と”山海”と
いう曲で、
初めてご一緒させていただきます
」
今年は長田の和太鼓チーム「神撫
太鼓」との初共演が
決まりました。
メンバーは地元に住む太鼓好きで、多くが震災経験者。
平成最後の追悼行事で、復興の力
を発信しようと意気込んでいます。
曲は松村組のオリジナルで、練習
期間は3ヵ月ほど。
何度も同じリズムを刻んで、体に
記憶させていきます。
しかし。
「ダダダダダダダおりゃ
~みたいな感じね」プロが叩く太
鼓に圧倒され
ながらも、必死に食らいつきます。
そして1月17日。
神戸市長田区の追悼イベントには
3000人が訪れました。
年々震災を知らない世代が増えて
います。
「闇夜を照らす月明かり」
薄らぎつつある記憶を、次の世代につなぐため、力強く、打ち鳴ら
します。
地元神戸を歩み、震災を乗り越えてきた2つのチーム。
和太鼓に託した思いが、一つにな
りました。
和太鼓がつなぐ復興の力。
次の世代の心に魂を宿し続けます。
24年もたってしまうと、
知らない世代がふえていく。
それは仕方がないことだとは思う
んですが、
太鼓の響によって
つなぐことができるんじゃないかということですよね、
尾木さん。
太鼓の響って、本当に元気が出てくるというか。
いいですよね。
生で和太鼓を聞くと、
本当に響くじゃないですか。
体が揺れるような。
何なんですかね。
ほとばしるような、
エネルギーを感じますし。
大学入試センター試験をあすに控え、
準備作業が始まりました。
試験会場のひとつとなる京都大学では
職員らが机に受験番号の札を貼っ